第36話 ページ43
学園長の言葉に目を見開いた
そんなことをすれば僕はどうなるんだ
生きる理由がなくなってしまうではないか
学「お兄さんを守る為に生きるのではなく、貴方のために生きれば良いんです」
貴『‥僕の為に、?』
学「したいことをして、貴方の思うがままに生きれば良いんです」
「誰かの為ではなく、ね」
そんなこと考えたこともなかった
兄を守ること、だけを考えて生きてきたから、そうしなければ実の父に暴力を振るわれるから
幼い頃から、血の繋がりがある彼に暴力を振るわれるのはどれ程の苦痛だったか
最低な父ではあったが、縁を切られて無心で泣いてしまったあの日から動かなくなってしまった僕の心はこの学園に来て少しずつ息を吹き返している
貴『‥、‥僕は、‥僕のために生きても、良いんですか、』
本当に小さな声だったと思う
自分だけにしか聞こえていないんじゃないかと思うような声
学「勿論です、後の事は私にお任せください。なんて言ったって私、優しいので」
その甘い囁きに僕は小さく頷いた
.
始業十分前
一限担当であるクルーウェル先生と共に教室に向かう
先程、この三日間あった授業のプリントをもらったのでそれを明後日までに提出すれば大丈夫とのこと
ク「‥、傷は痛むか?」
貴『いえ、‥朝に薬を飲んだので』
傷の治療をされたあとから思っていたが、なんだかクルーウェル先生は優しくなったみたいだ
声も、言葉も‥、態度も
家の話をしたあとも、トレイン先生とバルガス先生、学園長はもともとだが、あからさまに僕にたいして優しくなったと思う
職員室からでるまでなのに鞄を持ってくれたり、頭を撫でてくれたり
何が先生達を動かしたかは知らないが、僕としてはむず痒くてたまらない
教室に入る前にくしゃ、と僕の髪を撫でたクルーウェル先生は
ク「何かあったらすぐに言うんだぞ」
と言って先に教室に入った
撫でられた頭を自分で触りながら、いつも通り窓際の一番前の席を見れば、珍しく埋まっていた
その後ろ、フロイドの特等席は空いていて、良く見ると僕の席に座っているのはフロイドだった
貴『‥、‥久しぶり、フロイド』
そう声をかければ、腕に埋めていた顔を上げたフロイド
その表情は不機嫌そのものでじと、としためで僕を見詰めていた
.
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暇鬱(Itosaka) #(男として活動してるけど)一応僕っ子系女子(？) - 髪が結べるということは下手したら僕より髪長いぞ…← (2023年3月31日 3時) (
レス) @page19 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
リリ - 璃猫さん» もう知ってたらごめんなさい主様ではなくて申し訳ないのですが目次の一番下にある登場人物設定というところに入力すると変えれるかと思います(語彙力がなくわかりにくかったらごめんなさい) (2021年11月21日 15時) (レス) @page50 id: b4e2026cdd (このIDを非表示/違反報告)
ねこさん(プロフ) - 入学式は？？レリック家はどうなったんだ？？これでもし監督生が悪女とかだったりしたら僕泣いちゃうぞ←🥺 続きも頑張ってください！！ (2021年11月21日 11時) (レス) @page50 id: ab4164b541 (このIDを非表示/違反報告)
璃猫(プロフ) - コメント失礼します。主人公の名前なんですが、多分(名前)と打ち込んでいないからか、全て 名前 との表示になってます。意図してその様にしてあったらすみません。 (2021年11月21日 9時) (レス) @page8 id: 15ba7b8b80 (このIDを非表示/違反報告)
リリ - お金の力のところで声に出して「え、」て言ってしまいましたねw夢主さんとレオナさんの絡み？がすごく好きです (2021年11月20日 23時) (レス) @page49 id: b4e2026cdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち
| 作成日時：2021年11月15日 14時
