第32話 ページ39
昨夜、と言っても午前3時前に解散して眠りについたのは良いがあまりの痛みに目を覚ました僕は、学園でほぼ会うことはなくても仲良くして貰っているシルバーを呼ぶことにした
ヴァンルージュ先輩‥、もといリリア先輩には今日はゆっくり寝ろといわれたがこのザマである
起き上がることもままならない僕は、時間をかけてスマホに手を伸ばし、無事シルバーを呼んだ
僕を見たシルバーを気にかける余裕なんて毛頭なく、来てくれたにも関わらず薬を急かしてしまった
シーツが汚れることも気にせず、薬を一瓶飲み干してベッドに沈む
あと十分程耐えればこの痛みも引くだろう
歩み寄ったシルバーは、僕の口許を伝う薬を指先で拭ったあと、ベッドの淵に腰掛けて僕の頭を撫でる
その手付きは暖かく、往復する度に痛みが引いていくような気がする
薬を飲んだのもあるだろうが
ぐったりとベッドに沈みながら、シルバーの手の温もりを感じていた
.
漸く痛みが引いた僕は、ベッドから起き上がった
頭を撫でていた手が離れていくことに少し、嫌な気持ちになる
撫でられることが少ないからだろうか
前まではなんとも思わなかったのに
シ「落ち着いたか?」
貴『うん‥、ありがとう、助かった』
シ「気にするな」
そう言ってまた、頭を撫でたあとシルバーは部屋をでていった
得たいの知れない心の気持ち悪さを覚えた僕は、ぎゅ、と服の上から胸を握りしめる
時計を見れば既に六時半を指す頃だった
七時には職員室に行かなければならないのに
ベッドから降りた僕は痛みはなくとも動きにくい体を動かして着替えを済ませ、ホリデー前に準備していた鞄を手に校舎に向かった
.
こんこん、職員室の扉をノックすれば勝手に扉があく
「おはよう、良く眠れたか?」
そう言ってきたのはトレイン先生である
腕に抱かれたルチウスは眠そうにあくびをしている
貴『おはようございます、眠れましたよ』
昨日マレウス先輩達と夜更かししてたなんて言えないが
奥に入っていくトレイン先生の代わりに、クルーウェル先生が来る
ク「それでは少し怪我の様子を見てくるので」
「行くぞ仔犬」
職員室にいる先生達に軽く頭を下げてから、クルーウェル先生と保健室に向かった
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暇鬱(Itosaka) #(男として活動してるけど)一応僕っ子系女子(?) - 髪が結べるということは下手したら僕より髪長いぞ…← (2023年3月31日 3時) (レス) @page19 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
リリ - 璃猫さん» もう知ってたらごめんなさい主様ではなくて申し訳ないのですが目次の一番下にある登場人物設定というところに入力すると変えれるかと思います(語彙力がなくわかりにくかったらごめんなさい) (2021年11月21日 15時) (レス) @page50 id: b4e2026cdd (このIDを非表示/違反報告)
ねこさん(プロフ) - 入学式は??レリック家はどうなったんだ??これでもし監督生が悪女とかだったりしたら僕泣いちゃうぞ←🥺 続きも頑張ってください!! (2021年11月21日 11時) (レス) @page50 id: ab4164b541 (このIDを非表示/違反報告)
璃猫(プロフ) - コメント失礼します。主人公の名前なんですが、多分(名前)と打ち込んでいないからか、全て 名前 との表示になってます。意図してその様にしてあったらすみません。 (2021年11月21日 9時) (レス) @page8 id: 15ba7b8b80 (このIDを非表示/違反報告)
リリ - お金の力のところで声に出して「え、」て言ってしまいましたねw夢主さんとレオナさんの絡み?がすごく好きです (2021年11月20日 23時) (レス) @page49 id: b4e2026cdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこもち | 作成日時:2021年11月15日 14時