第27話 ページ34
ガラスを除去して貰ったあと、皮膚を裂くような痛みを耐えて水を浴びた
これほどの大怪我を瞬時に治せる治癒魔法を使えるものなんてこの世界に居ないと思う
大魔法士、と言われる僕ぐらいじゃないか?
こんなにボロボロになっていてこんなことを言うのはおかしいだろうけど
鎮痛剤ではなく麻酔薬を飲んだ僕は、救護班に治療をして貰った
火傷には軟膏にガーゼに包帯に、ガラスが刺さったところには消毒とガーゼと包帯と
首から腰にかけてミイラのようになってしまった
麻酔薬を飲んだお陰で痛みはほぼないが、歩いてる感覚もなく、それに眠くて仕方がない
明日から復学すると学園長に言ってしまったのに
今回は遠征だけだったため、持ってきた荷物と言えばスマホぐらいで、それをとりに団長の部屋に向かえば扉を明けるなり団長が勢い良く向かってきた
団「名前!!怪我はどうだったんだ!?」
貴『麻酔薬を飲んだので、大丈夫ですよ』
『1ヶ月分の薬とその他諸々は貰ったので、安心してください』
そう言って笑っても、団長は苦しそうな顔をしたまま
何故か聞いても無駄なような気がして、気付かないふりをして持ってきたスマホに手を伸ばす
それをポケットにしまった
貴『明日から復学するので、もう帰らないと』
団「そうか‥、」
俯いてしまった団長に、何かかける言葉を見当たらなくて、何故そんなに落ち込んでいるのか分かりもしない僕は部屋を後にする
団「ごめん」
その言葉はしっかりと僕の耳に届いた
今にも泣き出してしまいそうな顔で僕を見詰める団長に、胸が締め付けられたように苦しくなった
そんな団長に近付いて、僕は団長の背に腕をまわす
貴『謝らないでください』
団「ごめん、っ」
ついに泣き出してしまった団長は僕の背に腕をまわしてきつく抱き締める
麻酔薬をしているお陰で痛みを感じはしない
『リライト・レコレクション』
徐々に回復しつつあった魔力だが、それを使って団長の記憶を書き換える
僕が怪我を負った場面も、元父に叩かれた場面も
団長が気に負わないように
目を瞑っていた団長が次に目を開けたときには、なぜ抱き合っているのか分からないという表情
貴『それでは、また戻ってくるときに連絡しますね』
団「おー!!お大事にな〜」
少しの間でも、団長が楽しく過ごせるように
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暇鬱(Itosaka) #(男として活動してるけど)一応僕っ子系女子(?) - 髪が結べるということは下手したら僕より髪長いぞ…← (2023年3月31日 3時) (レス) @page19 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
リリ - 璃猫さん» もう知ってたらごめんなさい主様ではなくて申し訳ないのですが目次の一番下にある登場人物設定というところに入力すると変えれるかと思います(語彙力がなくわかりにくかったらごめんなさい) (2021年11月21日 15時) (レス) @page50 id: b4e2026cdd (このIDを非表示/違反報告)
ねこさん(プロフ) - 入学式は??レリック家はどうなったんだ??これでもし監督生が悪女とかだったりしたら僕泣いちゃうぞ←🥺 続きも頑張ってください!! (2021年11月21日 11時) (レス) @page50 id: ab4164b541 (このIDを非表示/違反報告)
璃猫(プロフ) - コメント失礼します。主人公の名前なんですが、多分(名前)と打ち込んでいないからか、全て 名前 との表示になってます。意図してその様にしてあったらすみません。 (2021年11月21日 9時) (レス) @page8 id: 15ba7b8b80 (このIDを非表示/違反報告)
リリ - お金の力のところで声に出して「え、」て言ってしまいましたねw夢主さんとレオナさんの絡み?がすごく好きです (2021年11月20日 23時) (レス) @page49 id: b4e2026cdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこもち | 作成日時:2021年11月15日 14時