男装しているわけではない

第18話 ページ25

なぜ知っているのだろうか


教諭もしくは王族だということなのか‥?こんな柄悪いのが?






貴『よく分からないので返してもらって良いですか』


レ「よくわからねぇのになんでこんなモン掛けてんだよ」


貴『目が悪いから以外にないでしょう』


レ「あ?」





そういうとキングスカラー先輩は僕の丸眼鏡をかけるふりをする


その眼鏡をかける他人の目を初めてみるが、彼の綺麗だった緑色の目は真っ黒な目に変わっている




眼鏡を掛けてみると緑のままなのに、魔法は不思議だ



なんて、大魔法士とか言われているこの目を持つ僕がいうのはおかしいかもしれないが





レ「目が悪いのは確からしいな」





投げるようにして返された眼鏡を掛ければ、思いの外近くにいるキングスカラー先輩に驚く





レ「磯臭ぇからオクタヴィネルの奴かと思ったが‥、トカゲ野郎の所の奴か」





よくしゃべるなと思いながら、あと二束ほどでクルーウェル先生からのお使いが終わるためしゃがもうとすればぐい、と腕を引かれて何故か彼の腕の中へと





貴『‥は?』





すんすん、と耳の裏で鼻のなる音がして思わず強ばる





レ「それに女ときた」



貴『‥、変態ですか?』






獣人族だからわかるのだろうけれど、初対面でこれはさすがに変態が過ぎると思う


厚い胸板を押せば緩くて首を掴まれて、じっと見詰められる






レ「御前に興味が湧いた。明日も来い」


貴『嫌です』


レ「あ"ぁ??」





今日一ドスの効いた声でそう言ったキングスカラー先輩は、腕を掴む力を強める


じと、とした目で睨みながら腕を引けば話してはくれなかったもののタイミングよく鐘が鳴る






「ﾁｯ」と舌打ちした彼は何故か僕のを離してくれた


僕は頷くまでこのままだと思っていたが、そうではなかったらしい






レ「‥、頼まれてんならさっさとしねぇと補修になるぞ」






なんて、優しいところもあるらしい


まだ収穫が終わっていないのは確実に彼のせいだが





ひっつかむようにして収穫を終えた僕はジタバタと植物園を後にする





レ「また来いよ」





そう言った彼の言葉に何故か頷いた



行けるかどうかは別として






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