番外編 研究データ2 ページ26
「今からね、君に次々と吸血鬼が襲ってくる。君はそれを倒していくんだよ。今まで集めて来た吸血鬼のデータが全部入ってるから、使ってくる能力もいろいろ。かなり難易度が高いけど、君ならそれくらいできるってみくみくが言ってたから」
「御国さんが?」
「君に期待してるって言ってたよ」
師匠である御国に期待されていると聞き、嬉しそうに頬を染める彼女。バーチャルの中の彼女も現実の彼女も同じ表情を見せる。
「まあ言わばゲーム感覚みたいなもんだよこれは。ただし、ゲームと違ってこれは痛みも感じるようになってるからね。体力も測れるんだよ。
俺は現実から映像で観てるから、全力を尽くして頑張ってね〜」
ヨハネスがそう話し終わったと同時に、男の吸血鬼が襲ってきた。
「はあ!」
それを鉤爪で引き裂くと、それはデータの様になって消える。するとまた次々と吸血鬼が繰り出してきた。
そして、冒頭に至る。
「結構、はあっ……ハード、です…!」
もう100人以上は倒している。だが、まだまだ吸血鬼は止まることを知らず出てくる。
「こうなったらっ…」
彼女は自分の親指を牙に押し当て鉤爪に垂らす。その血を吸収するかのように黒い鉤爪は赤黒く変化し、その鉤爪を大きく振りかぶった。
「やあー!!」
すると周りに群がっていた吸血鬼たちは一瞬で引き裂かれデータになり消えていく。
「おおっ!これが怠惰のインナーワールドで手に入れた新しい力かぁ!!みくみくにも報告しないとな〜」
新しい力のおかげで素早さが増す。
だが元々体力がほぼ限界に近かったため、無理な動きが逆効果となり足がもつれ転けてしまった。
「ふにゃ!?…うぅ…」
「んー…そろそろ限界かな?」
ヨハネスがそう言って機械の電源を切ろうとした時、その手を誰かが阻んだ。
「えーっと、君誰だっけ?」
「おいおい、上司の名前を忘れるか?」
「あいにくだけど俺はこの組織の正社員じゃないし、たかが人間の個体識別用の記号には何の興味もなくてね。覚えてほしいなら顔に記号書いといてもらえる?」
「俺もお前には興味ないが、お前のやっていることには興味がある。俺にもやらせてくれないか?」
男はそう言うとヨハネスを押し退け機械に触れた。
〜〜〜〜〜
久しぶりの大魔王の登場…。
22人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星歌(プロフ) - カコさん» 私も最近嫌いになれない人だなと思うようにはなりました…。この小説だと完全悪者扱いですよね…すみません…!! (2018年2月24日 21時) (レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
カコ - 塔間さん嫌いにはなれないです…。 (2018年2月24日 16時) (レス) id: 667d573e94 (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - 唄さん» 大いに同感であります唄様…!!全てにおいて美しいですもんね、めんどくせーから家デートでとか言われても全然オッケーですもんね。むしろありがたき幸せ。クロ大好きです!! (2018年2月22日 21時) (レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
唄(プロフ) - 切実にあんな彼氏が欲しくなる、と言うかクロと言う名の彼氏が欲しくなりますね。 (2018年2月21日 21時) (レス) id: 4acb668125 (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - お菓子の家さん» コメントありがとうございます!わあ〜!!なんとありがたきお言葉!!そう言っていただけると、もっと頑張ろうと思えます(*´∇`*) 頑張らせていただきます! (2018年2月20日 21時) (レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:星歌 | 作成日時:2018年2月6日 20時