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番外編 バレンタイン!7 ページ15

「はぁっ…はぁっ…!」


彼女は玄関のドアを閉めるとすぐに靴を脱いで自室にこもった。





「クロにあげるチョコ…潰れちゃった…!」


溢れる涙が止まらない。

大事な恋人を想い一生懸命作ったチョコ。何をあげたら喜んでもらえるか、渡すときにはなんと言おうかと、ドキドキしながらずっと考えていた。それほど想いを込めたのに、今その形はぐちゃぐちゃになってしまった。





「もっといっぱい作ってたらよかったなぁ…」


そう呟いた時、自室のドアが開いた。
驚いて振り返ると、クロが心配そうに顔を覗かせている。


「クロっ…」


「大丈夫か?」


泣き顔を隠そうとそっぽを向くと顔に手を添えられ向き合わされる。赤い瞳とかち合うとその瞳は不安げに揺れていた。


「どうした…何で泣いてる?」


「だって…だって…!クロのチョコ潰れちゃって…!」


「オレの、チョコ?」


クロは彼女の手に握られているピンクの袋を見つめる。原因を理解するとそっとその袋を取った。


「クロ?」


袋を開けると案の定、中はぐちゃぐちゃになっていた。彼女がそれを見てまた泣きそうになると、クロは安心させるように頰を撫でた。


「ありがとな…いただきます」


「えっ!?あ、ちょっと…!」


袋から粉々になったチョコレートのポテチを取り出して口に入れる。



「ダメだよそんなの食べたら!」


「別にいいだろ?Aがオレにくれたんだし…」


「そうだけど……そんなぐちゃぐちゃで、ごめんね…」



リナリアの作った綺麗なチョコを思い出し落ち込む彼女。クロはまた一つ頬張る。



「形なんて関係ねーだろ。Aがオレのために作ってくれたんなら、その気持ちだけで十分だ…」



クロの言葉に顔を上げると、その顔は優しく微笑んでいた。



「おいしい…」


「……ほんと?」


「おう……Aのが1番だ」



彼女はその言葉にやっといつもの笑顔を取り戻す。クロも安心したように彼女の頭を撫でた。





「んー…甘いな…」


「え?クロは大人っぽいからちょっとビターなのにしたよ?まだ甘かった?」


「甘いぞ…食ってみるか?」


「えっ…?」



クロは開いた彼女の口に生チョコを入れ、驚く彼女の唇にすかさず口づけた。

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星歌(プロフ) - カコさん» 私も最近嫌いになれない人だなと思うようにはなりました…。この小説だと完全悪者扱いですよね…すみません…!! (2018年2月24日 21時) (レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
カコ - 塔間さん嫌いにはなれないです…。 (2018年2月24日 16時) (レス) id: 667d573e94 (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - 唄さん» 大いに同感であります唄様…!!全てにおいて美しいですもんね、めんどくせーから家デートでとか言われても全然オッケーですもんね。むしろありがたき幸せ。クロ大好きです!! (2018年2月22日 21時) (レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 切実にあんな彼氏が欲しくなる、と言うかクロと言う名の彼氏が欲しくなりますね。 (2018年2月21日 21時) (レス) id: 4acb668125 (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - お菓子の家さん» コメントありがとうございます!わあ〜!!なんとありがたきお言葉!!そう言っていただけると、もっと頑張ろうと思えます(*´∇`*) 頑張らせていただきます! (2018年2月20日 21時) (レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星歌 | 作成日時:2018年2月6日 20時

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