只今俺の妻は死んだふりをして出迎えてくれています。【赤葦京治】

番外編 ページ47

「う〜ん………」



みんなで頭を抱える。


赤ちゃんの名前を考えだしてから早20分。


未だに良い名前が出ていない。






.







「………“治”って漢字を、名前に入れるのはどうだ？」




携帯を弄っていた岩泉さんが声を上げる。


…………治？






「“治という漢字が名前につく人は、柔軟性に富んだ思考からアイデアを生み出しそれを誰よりも早く行動に移せる人、という意味がある”。」




「………京冶って字にも治ってつくしな。」




携帯を見ながら文章を読み上げ、 ニッと俺に笑いかけてくる岩泉さん。




花巻さんは「それ、いいかもな。Aの子供だからどんな性格になるかわかんねーけど。」とニヤニヤしながら言う。




「………それ、どういう意味ですか？」



「おお、怖。なんでもねーよ、A。」




わしゃわしゃと不貞腐るAの頭を乱暴に撫でる。




“治”………か。






「じゃあ、治って字がつく名前を考えればいいんだね！」



「結構名前決まってきたんじゃねーの？」



「どんな名前がいいか迷うな。」



みんな段々決まってきてワクワクしている様子だ。


俺とAも「どんな名前になるんだろ！」と言い合っていた。

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