只今俺の妻は死んだふりをして出迎えてくれています。【赤葦京治】 (ページ35)

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「あ、そういえばさ、京治って私が撃たれたフリしてたの知ってたの？」

「……まあ、多分撃たれたフリしてるのかもとは思ってたけど……」

リンゴを剥きながら言う京治。

やっぱ女子力高いなぁ……

ま、私の方が上ですけど？現役主婦なめんなよ？

「………どうしたの、そんなにジロジロ見て。」

ずっと京治の事を無意識に見ていたらしい。

不覚………

「……なんでもないよ。」

明るく照らしだされた病室には、私と京治以外誰もいない。

撃たれただけなのに、何故1人部屋なんだろうな………

そんな事を思いながらボーッとしていると、病室の扉が勢い良く開かれた。

「うおーいっ！大丈夫かAーっ！！」

「大丈夫！？Aちゃん！？」

最初に駆け込んで来たのは、木兎さんと仁花ちゃん。

2人には「大丈夫だよ」と返し、再び扉の方へと目を向ける。

廊下からゾロゾロと病室に入ってくる集団。

………よく入れたな。

最後に黒尾さんが入ってきて、両手を顔の前に置いて、苦笑い気味に言ってきた。

「ごめんなー、A。取り調べ長引いてよ。」

……….軽いとは言わない。決して言わない。

「ううん。皆怪我がなくて良かった。」

「肩……大丈夫なの………？」

心配そうに聞いてくる研磨に笑顔を向けて頷くと、まだ心配なのか少しおどおどしている様に見えた。てかおどおどしてた。

珍しいな。研磨がこんなに心配してくれるなんて。

デレ期かなぁ？

そうだったら嬉しいけど。