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黒尾side
パァンッ!!
乾いた音が、室内に響き渡る。
目の前の現実が、スローモーションに見えた。
「A………が………………」
木兎の掠れた声も、耳に届かない。
ただ、目の前の光景を呆然と見る事しかできなかった。
ああ、どうしてこうなったんだっけ。
確か、坂ノ下商店の前を通った時に、近くのガレージからなんか煙が出ていて、近寄ったら意識が朦朧としてきたんだっけ。それからは……記憶がない。
あれは、何か薬が入っていた煙なんだろうな。
全員が呆然と倒れたAを見る中、赤葦は汗一つかかず、変に冷静だった。
Aは頭を撃たれたからだろうか。何も反応しない。
………こんな時に、赤葦と同じように俺も何故冷静なんだろうか。
……………ああ、もう頭がイったんだろうな。
「……くくっ………あーっはっはっはっはっ!!楽しいなぁ、殺人は!!」
ただ、俺達はAの死体とその死体を見て笑う男を見て、恐怖に震える事しかできなかった。
人間って、いざ殺されるとなると怖いもんなんだな。
男の目が、ギラリとこちらに向いた。
「さぁ………次はどいつを殺そうかな…………」
「っ………!」
殺される_______
そう、目を瞑った瞬間。
.
ガッシャァァンッ
何かが、打ち付けられる音がした。
恐る恐る目を開ける。
そこにあったのは_______
男が壁際で倒れていて、痛そうに顔を歪めている姿だった。
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作者名:*フィラ* x他2人 | 作成日時:2015年2月17日 20時