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第十五話 怪盗キッドについて2 ページ44

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 深夜零時。
 警備官と一部の使用人の物音が聞こえるぐらいで、他の全ては寝静まってしまった時分、キッドはAの部屋の窓を軽く叩いた。

 カーテンが少し開かれたかと思うと、Aの瞳が隙間から覗き、キッドを確認すると急いでカーテンと共に窓を開けてくれる。

 月を背に抱えた怪盗を快く迎えてくれるAだったが、今日はどこか静かで、キッドに対して不思議な目線を送ってくるのだった。


 今回こそは間に合ったが、何か不満でもあっただろうかと疑問に思いながら、キッドはいつも通りAに軽く会釈をした。

「来てくれてありがとう」

 Aも頬に喜びを弾ませていて、キッドはさっきの妙な目つきは思い過ごしかと考えた。

 そして、キッドはAが促す椅子に腰掛けようとして、Aの左手首にあるものを見つけた。

 サラサラと微かな音を立ててAの細い手首に巻きつくブレスレットは、キッドにはよく見覚えのあるものだった。

「それは……」

 キッドは息を飲んでそれから微かに呟いた。月光に晒すと、白い腕に良く映えて、キッドの想像していた以上に美しい光景だった。

「ふふ、気がついた?」

 嬉しそうにはにかむAを見て、キッドの胸に熱いものが込み上げてきた。
 黙り込みシルクハットの鍔をさげるキッドの顔を、Aが下から覗き込もうとしてくる。

 しかしキッドは赤くなっているであろう自分の余裕ない顔などAに見せたくなかった。

 Aはそんなキッドに気がついているのだろうか、顔を隠すキッドについてはさほど追及せずに、小さく笑うだけだった。

 

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- 一気読みしました!めちゃくちゃ続きが読みたいです!待ってます! (2022年9月13日 8時) (レス) @page48 id: 08a0986ba6 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します!とても面白かったです!もし続編があるのなら、続きを楽しみに待っています!(*´ω`*) (2022年2月10日 14時) (レス) @page48 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫@さかなねこ(プロフ) - shibuyuさん» ありがとうございます!続き早くお見せできるように更新頑張りますね(´˘`*)! (2019年7月11日 0時) (レス) id: e45d5a1191 (このIDを非表示/違反報告)
shibuyu(プロフ) - 怪盗キッド!私も大好きなので萌えます!早く続きが見たいなー!なんてっ♪ (2019年7月8日 17時) (レス) id: 8ac4695b82 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫@さかなねこ(プロフ) - くろばさん» ひゃ〜〜めちゃくちゃ嬉しいお言葉ですありがとうございますー!これからもドキドキキュンキュンしていただけるように頑張りますので楽しみにしていただければ幸いです〜! (2019年7月4日 22時) (レス) id: e45d5a1191 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒猫@さかなねこ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年5月22日 2時

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