現実ってそううまくいかない...わけでもないんだよね～黒バストリップ～Part6 (ページ28)

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高尾「あ、そーいえば。」

ひとしきり笑った所で高尾は急に思い出したように声をあげると、持ち場につこうとしていた緑間の後ろ姿に続けた。

高尾「あれ？挨拶は黒子君だけでいーのかよ？火神は…」

緑間「必要ない。」

高尾の言葉を遮って、緑間は立ち止まった。

緑間「あんな情けない試合をする奴と話すことなどないのだよ。もし言いたいことがあるようなら、プレイで示せ。」

「……」

うわ、ないわー。
アレか、火神がキレるのを狙ってやったのか!!
まぁ、確かに火神の沸点は低めだけども。

でもさ、緑間

火神「…同感だね。思い出すたび腹がたってしょーがねー。フラストレーション溜まりまくりだよ。だから…早くやろーぜ。」

……彼は、試合前になると、意外と冷静だよ?

火神「全部闘争心に変えてテメーを倒すために溜めてたんだ。もうこれ以上抑えらんねーよ。」

それは、静かに言い放った言葉には、確かに漲る闘志が込められているということだ。

全身から、そしてオーラから伝わってくる彼の闘気。ビリビリと空気が震える音さえも聞こえてくるように感じる。そんな空気に、見ているこちらでさえ少なからず緊張した。

緑間は火神の目を見つめ返すと、静かに息を吐き出し、俺の方を向いた。

……ん?←

緑間「黒山、お前はどうなのだよ。」

「……へ」

待って、ここで俺に振るの!?←
あ～～!!もう当たって砕けろだｯ!!←

「俺も黒子と火神と同じだよ。勝つ気満々だからね、誠凛(ウチ)は。

…あと緑間。俺らの試合見てたんなら、ちょっとぐらい危機感持ってもいいんじゃないの?

そりゃ、秀徳は強いよ。おたくの高尾くん?が言うように、去年“は”コールド負けした。去年“は”ね。」

一旦、短く息をついた。

「………今年“は”コールド負けするのは誠凛じゃない。

お前らだよ、秀徳」

緑間「………!!」

さて、そろそろ移動しないと。

「そうやって、人を見下す態度取ってたら、そのうち後ろから刺されるかもね?」

緑間「……やれるものなら、やってみろ。」

そんな威圧感を背に感じながら。

いよいよ、始まる。

この時を、

この瞬間を

今か今かと待ちわびていたように、

試合開始のジャンプボールが

___高く高く、上がった。