【銀魂】うさぎの取り扱い方法【沖田総悟】

＃37　本能 ページ38

You-side
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有り余った力と、どうしようもないほど襲いかかってくる衝動がもう耐えることすらできなくなって、自分で自分を傷つけた。どうせすぐ治るから、自分なら平気だから･･･そんなことを思いながら自分の血を見ては嘲笑して、をしばらく繰り返していた。





――――けど、それでも足りなくて。自分ならいくらでも傷つけていい、なんて思いつつも防衛本能があって。






あぁ、もう狂ってしまいそう。


誰かにぶつけたい。誰かを壊したい。そんな思いが頭を埋め尽くしては、私はまた自分を血で染めた。




誰か、私と殺りあってくれる人。傷つけてもいいような人。―――そんな人達を探していると、私の前に現れた、善良な市民とはいえないゴロツキたち。


この人達ならいいのかな。向こうから来たんだからいいんじゃないかな、なんて。









――――私はとうとう、全く無関係の”誰か”を傷つけてしまった。









死んではいない。殺しちゃいない。それでも重症を負い、動くことすらもできない人たちが私の目の前で転がっていて。



どうしよう、やってしまった。と後悔に埋め尽くされながらも、どこか歓喜を感じる自分が居た。



それを必死に抑え込んで、自分と戦って、でも勝てなくて誰かを傷つける。殺せないのはきっと、まだ”私”が残っているということ。それだけが唯一の救い。









きっと、一時的なものだから。すぐに元に戻れる。






――――でも、ごめんなさい。まだ当分元には戻れそうにないの。






もう少しだけ付き合って、なんて最低な言葉を心の中で零してはまた、自分と誰かを傷つけた。





月明かりに照らされて、赤黒い血が私の本能をまたくすぐる。もっともっと、なんてすっかり伸びてしまった誰かに、銃口を向けた。









――――その時。









　









「おーおー、こんな時間に精が出るねィ」









　









＿＿＿＿聞こえた声は、今一線を越えようとした私を引き止めてくれた。

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