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レオナside
『ふふふ………流石、レオナさん。気づくんだね。何だと思う?。当ててみなよ。無理だと思うけどね。』
Aは深紅の唇を僅かに三日月型に変化させて笑った。
日頃、ふわふわしており間抜けな深海生物とは何処か違う。
Aはアズールの従兄弟だと聞いた時は驚いた。
イルカの人魚らしい。
ただ、今のコイツは言動、行動、見た目から普通の人間に見えない。
だが、何者なのかはわからない。
俺も初めて会った感覚だ。
は?。
なんで手が震えてるんだ?。
精神的には大丈夫でも、本能的にコイツが怖いと言っている。
「………お前はそこら辺の人間じゃねぇだろ。」
恐怖に耐え、唸る様にそう答えるとソイツはニッコリと笑い、
『くふふあはは。ざっくり過ぎない?。まぁ間違っては無いかもね〜。僕は普通の人とは違うね。』
へらりと笑った。
「………だったら何なんだよ。」
『さあね。人間が主食の一部と言ったら?。』
そう言うとソイツは振り向いた。
「………!」
ソイツは朱殷色の液体が左目から出ていた。
その原点の左目は赤黒く、怖かった。
………目の焦点が合っていない。
ピエロの仮面も目がずれている様にコイツの目も焦点が無く、目が生きている様には見えなかった。
月明かりがコイツに反射している。
ソイツは唇に人差し指を当て笑うと、
『この事は人に言わないでね。言ったら、命はあげないよ。』
そう言うとフラフラと何処かへと消えた。
「ったく………。何者なんだか。」
オレは恐怖を誤魔化す様に頭を掻きながら眠りについた。
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作者名:紅波 | 作成日時:2020年11月17日 20時