45.リンドウ ページ46
竜がAに何かをしたあと、Aはそのまま倒れ込んでいた。
乃木｢Aに何した？｣
竜｢記憶を呼び起こしてるだけだよ
ここは危ないから避難させないとね｣
竜がそう言うと、Aは黒い液体に囲まれてどこかへと消えてしまった。
竜｢さあ、決めようか
Aに相応しいのがどっちか｣
竜は俺を軽快に睨みつけた。
乃木｢ユイちゃんとロッティはAの事探してきてくれない？
こいつには俺がちゃーんとお仕置しとくからさ♡｣
ユイ｢でも…！｣
ロッティ｢…油断するなよ…！｣
油断…ね。
乃木｢分かってるって｣
ロッティ｢行くぞユイ！｣
ユイ｢…うん、！｣
油断はしねーけど、俺の怒りゲージも結構溜まってんだよねー…
冷静さ失ってやられるってことだけはしたくねーな
俺は鉄パイプを握って竜を睨みつけた。
ーーー
私は炎に巻かれたあと、気付けば河原にいた。
後から聞けばここは賽の河原と言って親より先に死んだ子供達が来るところらしい。
はは、私が死んでも誰も悲しまないくせに。
私は誰かに何かを言われたらしく、ただ静かに石を積み上げた。けど、完成しそうになると鬼が蹴ってそれを壊してしまう。
凄い、報われない。何もしても完成しない。
どんなに努力したってあと一歩のところで全て崩れてしまう。
私の、人生みたいだな、なんて。
何回積み上げたか分からないくらい私は無心で石を積み上げた。
そして、その日もいつも通り鬼に蹴って壊された。
その時だった。
｢可哀想な奴ら｣
頭の上でそう呟いたのが聞こえた。
私は別に怒った訳でもない。イラついた訳でもない。なのに何故か私は
A｢お前のせいだろ｣
と口走っていた。
｢…君、名前は？｣
そう聞かれ振り返ると、鬼はニコニコとしていた。
最初の印象は気持ち悪いだった。
無視してもずっと話しかけてくるし、かと思えば積み上げた石はしっかり壊すし。
意味のわからない鬼だった。
けど、賽の河原では唯一の話し相手で、少しずつ私も口を開くようになった。
｢今日は完成しそう？｣
A｢貴方が壊さなければ｣
｢確かに｣
ふははっと吹き出す鬼に私はしかめっ面を晒した。
何が面白いんだか。
｢そういえば、僕好きな花があるんだ｣
そう言って取り出したのは紫の綺麗な花だった。
｢これ、
花言葉は悲しんでいる貴方を愛する｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：霊来 | 作成日時：2023年7月27日 4時
