36.お酒 ページ37
ユイ｢Aちゃん、高校いつから？｣
A｢早速明日から
イギリス行く前に課題終わらせといてほんとに良かった…｣
乃木｢あー…課題な。ロッティの嫌いな勉強｣
A｢え、ロッティ勉強嫌いなの？！｣
ロッティ｢……｣
ユイ｢…そうなんだよね、前にロッティは僕の身代わりになってくれてたって話したの覚えてる？｣
それは勿論覚えてる。なんでユイちゃんが僕っ子なのか気になって聞いた時に言われた。
ロッティが女の子として育てられてたのは意外だったけど…
ユイ｢それで…｣
ロッティ｢どうせ死ぬ身だから必要ないとしてこなかったんだ｣
ロッティの言葉で私の中に罪悪感が生まれる。
A｢…ごめん｣
ロッティ｢いや、謝ることは無い。勉強が嫌いなのは事実だし、しないで困ったことも特にないからな｣
そう言って食べ進めるロッティを見て、生きていてくれて良かったなと思った。ロッティがいなかったらユイちゃんも乃木も笑えていなかっただろうなぁ。
A｢よし、ロッティ！今日はパーッと飲もう！｣
後に私は、地獄を見ることになる。
ーーー
ロッティ｢ユイ、足を閉じろ…ヒック…女の子だろう…！｣
ユイ｢始まった…｣
A｢ここに合わない酔い方してるね。｣
ロッティ｢あと背筋はもっと伸ばして…｣
ユイ｢…帰ろっか｣
A｢そうだね｣
ロッティの酔いが完全に回るのが食べ終わったあとで良かった…。
私たちはお店を出たあと、家が反対方向な事もあり別々にわかれた。
あれ、そういえばさっきから乃木全く喋ってなくない？
A｢乃木？大丈夫？｣
乃木｢…ん、俺も酔った〜｣
A｢え、少し休んでから行く？｣
乃木｢んー？いいよ、帰ろ〜｣
電車で戻されても困るんだけど…まぁ大丈夫かな。
そう思ったのが間違いだった。
乃木は電車では戻さなかった。別の事件が起きたのだ。
A｢ねー歩いて！乃木！｣
乃木｢ん〜、ん…｣
乃木は私の肩に持たれたまま歩こうとしない。
17歳のJKが成人男性を持ち運べると思うな…！
だからといって道端に捨てる訳にもいかず、本来駅から15分でいける道を30分以上かけてなんとか家に帰った。
どさっと乃木をソファに投げ捨て、かけていたバッグを机に置いて手を洗っている時だった。
私の腰に誰かの腕が回された。
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作者名：霊来 | 作成日時：2023年7月27日 4時
