31.デレ期 ページ32
あの後、目を覚ますと私の部屋にはユイちゃんとミズチさん、ノーマさんがいた。
ユイちゃんに至っては少し涙目で、"おはよう"と言ってくれた。私がそれに元気よく返すと、ミズチさんが"朝っぱら元気ね"と笑った。
そうしてみんなで笑いあっていると、乃木も目を覚ましたらしく私の名前を呼んだ。
私がそれに反応すると、乃木は間をあけて抱きついてきた。その時のユイちゃんとミズチさんは同じ顔をしていたと思う。
無言のまま離さない乃木の頭を撫でていると、部屋の中にロッティが入ってきて"起きたのか！"と声をかけたことで乃木は即座に離れた。
ーーー
マット｢リーダーが抱きつくなんて珍しいね｣
ミズチ｢あたし達いるのにいきなり抱きつくんだもの、びっくりしちゃったわ〜｣
チラチラと乃木の方を見て言うミズチさん。
乃木はそっぽを向いて耳を赤くさせていた。
ミズチ｢髪だけじゃなく顔まで赤いけどどうしたのかしら〜！！｣
乃木｢うっせーっての！おねーさんどうにかしてくんない？！｣
ノーマ｢自分で蒔いた種は自分で片付けてくださいまし｣
ミズチ｢オホホ、残念だったわね〜！｣
A｢まあまあ、乃木は私のこと安心させるためにしてくれたんでしょ？嬉しかったよ｣
乃木｢本人もこう言ってんだしもういいだろ〜？｣
ミズチ｢伝わってないけどいいの？｣
乃木｢今はまだいーの。｣
何の話？と私が聞くと2人は声を揃えて｢さあね｣と言った。
ダニエル｢…帰って来れて良かった。夢の中とはいえ怖い思いをしたな｣
A｢んー、怖かったけど…乃木がいてくれたから。｣
乃木｢Aは俺の事大好きだもんなー♡｣
A｢そこまで言ってないじゃん？！｣
そうやってわいわいとしていると、さっきまで死にそうになってたのが嘘に思えてくる。
A｢そういえば、時計下のベンチにいる時なんて言ってたの？｣
みんなで騒いでいる時に、さりげなく聞いてみる。
乃木｢んー？あー、別に大した事じゃねーよ？｣
A｢なに？｣
乃木｢…あん時のA、すっげー可愛かった♡｣
頬杖をつきながら笑って言う乃木に、お世辞でもドキッとしてしまった。
可愛いって思ってくれたってことは、少しでも意識してくれたってこと？
A｢…乃木も、かっこよかったよ
あの時も、助けてくれた時も｣
私が負けじとそう言うと、乃木は｢え〜？デレ期ってやつ？♡｣と笑って言った。
乃木｢(…やべーめっちゃニヤけてんのバレてねーかな…)｣
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作者名：霊来 | 作成日時：2023年7月27日 4時
