25.人の女 ページ26
脈ナシって訳じゃなさそーだけど…
A｢やめてくださいっ…｣
ふと耳にあいつの声が入り込んできた。
俺は出てきた100円を一気に取って急いでAの元に戻ると、男2人組のうち片方がAの腕を掴んでいた。
A｢あ…乃木…｣
Aは目に涙を溜めている。
男A｢おねーさんの連れ？そんなやつほっといてさ“ｯ？！｣
俺は構わずAの腕を掴んでいるやつの手首をこれでもかと言うほど強く握った。
乃木｢おにーさん、悪いんだけどさぁ
人の女に手、出さないでくれる〜？｣
男B｢てめっ…離せよ！！｣
乃木｢もう1回言わないと分かんない？
さっさと消えろよ｣
男A｢ﾁｯ…行くぞ！！｣
男B｢覚えてろよ！！｣
はぁ…ランさんの件で1人にさせちゃダメだって分かってたつもりだけど…この短時間でも変な虫は湧くもんなんだなー。
乃木｢ごめん、A｣
A｢ううん…乃木が居てくれて良かった…
ありがとう…！あと人の女ってのは…？｣
Aにそう聞かれ、自分が言ったことを再確認する。
うん、確かにそんなこと口走った気がする…！！
乃木｢いや、ほら、ああいうやつってそう言った方が諦めやすいじゃん？！｣
自分でも分かるほどに顔が熱くなっている。
これじゃ説得力0だなぁ。
A｢そっ…か、だ、だよねー！｣
乃木｢そうそう…｣
はー、あっつ…。
A｢じゃ、じゃあゲームしよっか！｣
乃木｢おー、！｣
その後は時間も忘れてUFOキャッチャーや音ゲー、運動系のゲームを端から端まで遊び尽くした。
A｢楽しかったー！｣
乃木｢やべー、思ったよりガチっちゃった｣
A｢乃木大体点数高くなかった？！勝てた記憶ないんだけど…｣
乃木｢まぁ神なんで｣
A｢出た、神理論｣
2人で顔を見合わせ、2人で一緒に笑う。
俺はその時間が幸せで、ずっと続けばいいのにと思った。
A｢そろそろ時間だし時計下のベンチ行こっか！｣
乃木｢まじで時間進むの早かったなー｣
A｢それ、久々にあんな遊んだもん｣
乃木｢また来よーな？｣
A｢うん！｣
Aの笑顔を見るだけで、不思議と笑顔になれてしまう。嫌なことも忘れれる。
もっと早くこの気持ちに気付きたかったな
A｢ロッティとユイちゃん何か進展あったかな？｣
乃木｢無かったら俺がロッティをしめる｣
A｢じゃー私はユイちゃんと反省会するね｣
俺らは時計下のベンチにつくまで2人の話で盛り上がっていた。
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作者名：霊来 | 作成日時：2023年7月27日 4時
