私じゃない ページ5
そこからの記憶はほとんど無い。
気が付いたら白と黒の幕、白と黒の人々の中に制服を着て立っていた。
遠くからお坊さんの低い声が聞こえてくる
何を言っているかわからないが、この光景は見たことがある。
テレビの中で、皆が泣いていたシーンだ
たしか、主人公の親友が死んでしまった、お葬式のシーン。
普段は泣かないようなタイプの主人公が泣いていたんだ
感動したなぁ
私の周りも泣いている
泣いていないのは
私だけだ
顔をあげると二つの写真が飾ってあった
たくさんの白い花に囲まれていた
お父さんとお母さんが笑っていた
あの朝に見たように_______
家に帰った。
ご飯はどうしよう
あ、冷蔵庫にハンバーグがあった
何もやる気が起きない体を動かし、のろのろと立ち上がった
正直、さっきまで何をしていたのかすら覚えてない。お葬式も、ほとんど何も。
時間の流れがぐちゃぐちゃになったみたいだった。
今までの時間は自分が何をしていたか思い出せないほど目まぐるしく過ぎていっていたはずなのに、今流れている時間は止まってしまうのではないかというほど遅く感じた
ご飯をレンジで温めて口へ運ぶ。
でもおかしい、
まったく味がしない。
おいしくない。
なんで
なんで?
……あぁ、
…………本当はお父さんやお母さんが食べる分だった
これは私の分のご飯じゃないからだ
本当だったら、
お父さんやお母さんが、帰ってきていたら、
このハンバーグを食べていたのは、
私じゃない
そのとき、玄関のインターホンが鳴った
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咲(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました。大号泣です(´;ω;`) (2019年10月28日 8時) (レス) id: b485c04083 (このIDを非表示/違反報告)
はやゆか - この作品を読んで号泣した一人です。更新楽しみにしています。 (2019年1月30日 2時) (レス) id: 2334c267ac (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 最後、めっちゃ泣きました。こんなに泣いたの久しぶりってくらい。続編はどんな感じになるんだろう。これから読むのが楽しみです!! (2018年10月16日 13時) (レス) id: 2082d86ac9 (このIDを非表示/違反報告)
声優って良いよね。 - 号泣じゃ収まらん......大号泣...... (2018年7月14日 15時) (レス) id: d5b8d65653 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - …………。°(°`ω´ °)°。ピィー!!!!!!!なにこの作品!感動するんだけど!。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。ウワァァァン!!!!!更新頑張ってください!!!!! (2017年11月14日 4時) (レス) id: 15a90a5b08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:國村 楓 | 作成日時:2016年7月3日 6時