二つの夢 ページ34
神「ちゃんと夜いっぱい寝ないと、元気出ないよ。
特にAはまだ子供なんだから、生活リズムもすぐ狂っちゃうし」
「子供じゃないです〜…」
神「夜寝れなくて昼間から寝ちゃってた子供が何言ってんの」
「む……。」
ぐぅの音も出ない
そしてまた静かなため息が聞こえた
神「僕、本当は今日急いで帰ってきたんだよ？
一緒にゲームしようと思ったのに、帰ってきたらA寝ちゃってるんだもん。」
なんとなく、むすーっとした顔になる神谷さん
拗ねた顔するなんて珍しい
でもなんか可愛く見えるんだ
これが夢だったら嫌だなぁ
神谷さん達が夢だったら、嫌だなぁ
「……神谷さん、」
神「何？」
「私の頬つねってもらえませんか」
うわ…私今すごく変なこと言ってるな…
突然の要求に一瞬驚いた神谷さんだったが、すぐに普段の表情に戻って、何のためらいも無く私の頬に手を伸ばした
神「どお？」
「…いひゃいです」
神「満足した？」
「ひゃい」
そ。と言ってパッと手を放した神谷さん
神「で？」
じっとこちらを見つめる神谷さんの目が話せと促してきた
その視線を遮るように目を閉じて、夢の内容を思い出す
『A』
懐かしい声が聞こえた
「……目が覚めたら、
いつも通りの家にいて、いつも通り私のベットで目覚まし時計が鳴って、…それで起きるんです。
それで、
おはよう、ってお母さんとお父さんが言ってくれて…
今日は…、いなかったけど……」
神「……うん」
「…夢、じゃ…ないのかな…って思うんです」
神「…」
今、神谷さんと話しているのも、私がここに来たのも、お父さんとお母さんがいなくなったのも。
本当は、今私は眠っていて、
もうすぐ朝日が昇ってきて、目覚ましが鳴って
起きる頃にはお母さんが朝ご飯を作ってくれていて
お父さんがコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる
そしていつも通りに朝ご飯を食べて、たくさん話して、たくさん笑って、『行ってらっしゃい』を言う。
二人の『行ってきます』を聞いて、二人の『ただいま』を待っている
これが本当の世界なのではないのか
だって、今だって『ただいま』を待っているから。
だから
ここが、嘘の世界だと、疑ってしまう
今私がいるここが、夢であり私の想像であると
きっと目が覚めたら『おはよう』を言ってくれる
笑って『ただいま』を言ってくれる
そう信じている
帰ってくる、それが『いつも通り』なのだから
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咲(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました。大号泣です(´；ω；｀) (2019年10月28日 8時) (
レス) id: b485c04083 (このIDを非表示/違反報告)
はやゆか - この作品を読んで号泣した一人です。更新楽しみにしています。 (2019年1月30日 2時) (レス) id: 2334c267ac (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 最後、めっちゃ泣きました。こんなに泣いたの久しぶりってくらい。続編はどんな感じになるんだろう。これから読むのが楽しみです!! (2018年10月16日 13時) (レス) id: 2082d86ac9 (このIDを非表示/違反報告)
声優って良いよね。 - 号泣じゃ収まらん......大号泣...... (2018年7月14日 15時) (レス) id: d5b8d65653 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - …………｡°(°`ω´ °)°｡ﾋﾟｨｰ!!!!!!!なにこの作品！感動するんだけど！｡ﾟヽ（ﾟ｀Д´ﾟ）ﾉﾟ｡ｳﾜｧｧｧﾝ!!!!!更新頑張ってください!!!!! (2017年11月14日 4時) (レス) id: 15a90a5b08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：國村 楓 | 作成日時：2016年7月3日 6時
