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思い出した夢 ページ14

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ピーピーピーピー



うるさいなぁ


見慣れた天井の下

何故か違和感を覚えながら
目覚まし時計を止める



あれ?

なんの夢見てたんだっけ


あくびをしながら考えるが思い出せない




一瞬見慣れない天井が瞼の裏に映った気がした


それを振り払うように頭を軽くふって自分の部屋を出る









母「あれ、A?早いわね。今日は土曜日よ?学校無いでしょ?」



「…お母さん……?」



リビングで朝食の準備をしていたのはお母さんだった。

なんだか酷く懐かしく思えた




母「わかった、どうせ間違えて目覚まし時計セットしちゃったんでしょ〜?」



そう言って目を細めて笑うお母さんを私は瞬きもせずに見つめていた



母「A?どうしたの?」


父「お!おはようA!」


「お父さん…!」


父「?どうした?」



「え、いや、……」



ふと
どこかで泣き声が聞こえた気がした

でも、きっと、気のせいだ。


ざわざわと落ち着かない胸を抑えて

心配そうに見つめてくる二人に久しぶりに作った笑顔を向ける




「ううん!何でもない!おはよう」


そう言うと二人はまた笑ってくれた







明るいカーテンの隙間からさしこむ光が筋を作って優しくリビングの床を照らしている


そのカーテンを開けようとしているお母さんに声をかけた




「今日、…どこかに出掛けるの……?」



すると、お母さんは振り返って言った

母「そうよ、今日はお父さんと海の近くのお店でランチするの。」


お母さんが視線を合わせた先にはお父さんが笑顔でお母さんを見ていた




ズキ、


一瞬胸が刺されたように痛くなる

すぐに痛みは消えたけど
胸のざわざわは消えなかった





「今日、は……やめた方がいいんじゃない…?」


母「え?どうして??」



…そうだ、どうしてだろう。


なんでこんなこと言ってるんだろう


でもどうしてもざわざわが消えないんだ




.




『一人は嫌だ』




.






「…じゃあ、私も、連れてって………?」








デートの邪魔してごめんね


せっかく二人だったのにごめんね





お母さんはゆっくりカーテンを開けた



部屋が光で満たされる

テーブルの上に置いてあったガラスのコップがキラキラと光を反射した。




私はその光景に酷い既視感を覚えていた




お父さんも、お母さんも眩しそうに目を細める







.







.








だーめ。






.







.








窓の光に溶け込んだお母さんはそう言って笑った
.

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(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました。大号泣です(´;ω;`) (2019年10月28日 8時) (レス) id: b485c04083 (このIDを非表示/違反報告)
はやゆか - この作品を読んで号泣した一人です。更新楽しみにしています。 (2019年1月30日 2時) (レス) id: 2334c267ac (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 最後、めっちゃ泣きました。こんなに泣いたの久しぶりってくらい。続編はどんな感じになるんだろう。これから読むのが楽しみです!! (2018年10月16日 13時) (レス) id: 2082d86ac9 (このIDを非表示/違反報告)
声優って良いよね。 - 号泣じゃ収まらん......大号泣...... (2018年7月14日 15時) (レス) id: d5b8d65653 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - …………。°(°`ω´ °)°。ピィー!!!!!!!なにこの作品!感動するんだけど!。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。ウワァァァン!!!!!更新頑張ってください!!!!! (2017年11月14日 4時) (レス) id: 15a90a5b08 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:國村 楓 | 作成日時:2016年7月3日 6時

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