2口目 ページ2
「薫先生!あの、私この問題分からなかったんですけど…!」
「せ、先生、私も教えて欲しいですっ!!」
数学が終わって山田が教室から出ていった後、クラスの女子達がミサイルの様に俺の席に詰め寄った。
勿論、用があるのは俺ではなく、その隣に佇む悪魔。
ちなみに、こいつの名前は イル だ。
悪魔イル。
でも今は、さっき話した通り"教育実習生"として、ここに立っているから、一応
苗字の頭文字と、
名前の最後の文字を合わせて「イル」…
という、隠し要素のある名前らしい。
ま、どうでもいいけど。
「うん…そう、
そこで、この式を使うんです。
…ほら、解けたでしょう?」
「きゃーっ♡」
いつの間にか、イルと女子達は俺の1つ前の席に移動し、黄色い悲鳴飛びかうハーレム勉強会を始めていた。
イルは分かりやすい説明で女子達に教えていき、答えが分かった生徒には優しく微笑みかけている。
そしてその魔性の微笑みを食らった女子は顔を真っ赤にして固まってしまう。
ふーん…にしてもこいつ、顔だけじゃなくて、頭もいいし、要領もいいのか…
なんだか、ここまで完璧なところを見せつけられると、悲しくなってくるな。
あ…いや別に目の敵にしていた訳でもないけれども…
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作者名:みゅん | 作成日時:2020年4月25日 8時