梔子 伍

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天｢何だ．．．いい匂いがするな。｣

『食糧庫が燃えてるの』

天｢おぉ、やっとか。｣


数羽の鎹が飛んでくる。


『至急、中の子らに伝達。もういくつか燃やし、門は開けず私の元へ帰ってくるようにと。』

鎹達｢チュン！！/ポっ！！｣


鎹達が飛んでいく。

それから少しして、さらに火の手が上がる。


桓｢(王華嬢の所もやったか．．．)｣(ｸｸｯ


そして、紛れ込んでいた御神隊が全員戻ってくる。


『よくやったね。ありがとう。』

御神｢ハ！！！｣(歓喜)

『ゆっくり休んで。』

御神｢ありがたく！！｣


帰ってきた御神隊が眠りについた。


『(王翦のところの子らは殺られたか．．．)』


次の日の朝


『．．．(今日は．．．あっちがたくさん死ぬな．．．嫌な予感がする．．．)』


手に持つ日輪刀が、カタカタと音を鳴らす。

この日は、昨日の火事で何かを察した趙の包囲軍が、

再び鄴を解放すべく動き始めた。


？｢"どうする、王華嬢。"｣

『！！』


桓騎付きの鎹鴉、桓狗がAの元へ来る。


『．．．私達の目的は．．．あくまでも、アイツらが鄴へ及ばないこと。
これだけで、桓騎はわかるでしょ。行って。』

桓狗｢ハイ。｣(ﾊﾞｻｻｯ


攻め来る趙軍を止めるのに、御神と桓騎軍が動き出す。


『行こう』

御神｢ハ！！！｣


趙包囲軍との交戦を始め、昼が過ぎた数時間後、


『……"日の呼吸･斜陽転身"』(ｺﾞｵｵｫｫ

趙軍｢栢蟻様ｧｧｧｱｱｱｯ！！｣


ｶｼｬｧｱｱﾝｯ

と派手な音を立て、日輪刀がバラける。


『えっ』

天｢随分ド派手な音が．．．｣


その音を聞いた天元が、思わず音のした方向を見る。


『．．．．．．』(驚愕)

天｢．．．え、そんなことある！！？｣

『(日輪刀が．．．？)』

趙軍｢今だ！！やっちまえ！！！！｣

御神｢A様！！！｣


振るわれた敵の刃を、上に飛んで避ける。

着地すると同時に、楓に乗せてあった矛を手に取り、敵を滅する。


松｢お酒、一緒に、飲みたかったな．．．ごめんよ、ごめんね．．．．．．｣


何故だか込み上げてくる熱いものをのみ込み、強く目を開く。


『悪いが、全員下がれ。』(ｷﾞﾘｯ

珀｢っ、！｣(ｿﾞｸｯ

御神｢！！？｣

珀｢．．．御意に。下がるぞ！！！｣

御神｢は、ハ！！｣

趙軍｢な、何だ！？退いて行くぞ！！？｣


御神の者達がある程度退いた所で、楓も戻らせる。


趙軍｢ひ、一人になったぞ！！！｣

趙軍｢囲め！！！｣

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