梔子 参

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？｢おやおやおや？見ない顔ですね。と言っても片方は面布してますが。どなたですか？｣

『．．．』

実｢．．．｣

？｢無視ですか？｣

『．．．』

詩｢コンニチハァー！！｣

実｢うおっ｣

？｢あら、喋る鴉。｣

詩｢面布シテルノハ、王華。シテナイ男ハ．．．ソノオ付。｣

実｢え｣

詩｢間違ッタコトハ言ッテナイシ、ソノ方ガ都合ガ良イ。シャントシトケ。｣(ｺｿｯ

実｢お、おう．．．｣

？｢王華さん．．．？｣

『．．．』(ﾁﾘｯ

？｢そんな人居ましたっけ。｣

『．．．』

実｢失礼だなァ．．．｣

詩｢貴女ハ誰ー？｣

？｢あ、私は瑠衣です。王弟である成蟜様の第一夫人です。｣

詩｢ソウナンダー。｣

瑠｢王宮に何か御用ですか？王家の方なのでしょう？｣

詩｢アナガチ間違イジャナイケドー。｣

瑠｢あながち？｣

詩｢ナンデモナーイ。｣

瑠｢えぇえ．．．で、何か御用ですか？｣

詩｢オ前ニハ無イ。｣

お付｢失礼だぞ貴様ら。｣

実｢うるせェぞテメェ。｣

お付｢ﾋｯ｣

瑠｢まぁまぁ。私に用はないでしょうけど、王宮に用はあるのでしょう？｣

詩｢ウン。｣

瑠｢．．．教えなさい。王弟第一夫人として命じます。｣

詩｢ナニソレ面倒ォ．．．｣

お付｢貴様っ．．．｣

実｢あ"ぁ？｣

お付｢ﾋｲｨ．．．｣

詩｢アラ怖ーイ。｣

『．．．』

詩｢！．．．大王ニ会イニ来ター。｣

お付｢様をつけんか様を！！！｣

瑠｢嬴政様に．．．？｣

詩｢オ友達ダカラー。｣

瑠｢王家の人間が？｣

詩｢ウン。マズ王華養子ダシ。｣

お付｢は．．．？｣

瑠｢え．．．？｣

詩｢王華ハ王騎ノ娘〜｣

お付｢王騎将軍の！！？｣

お付｢娘が出来たという噂は聞いていたが．．．｣

お付｢まさかこの娘が．．．｣

実｢．．．｣(ﾋﾞｷｯ

瑠｢静かになさい。失礼でしょう。｣

お付｢は、はい！すみません！！｣

実｢．．．｣

瑠｢．．．顔を見せてください。｣

『．．．』

瑠｢次会った時のために覚えておきたいので。｣


そう言われ、やむなく面布を捲る。


瑠｢わ、すっごい美人。こんな美人初めて見た。｣

お付｢確かに美しいですが．．．瑠衣様、本音がダダ漏れです。｣

瑠｢あら、失礼。｣


Aが面布を戻す。


詩｢ソロソロ通シテヨ。王華ガイラツイテキテルヨ。｣

瑠｢えぇ、引き止めてごめんなさいね。どうぞ。｣


道が開き、Aと実弥が歩いていく。


お付｢瑠衣様に礼もしないで．．．｣(ﾜﾅﾜﾅ

瑠｢(何かいい匂いがした．．．)｣

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