悪い子4人目 ページ6
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｢え、ええと……｣
ここで正体をばらすのは…ちょっとまずいな〜まだあいつがそんなに離れてないから気づかれる
このまま続けよう、とりあえず荷物と対処法を考えないと始まらないからね
う〜んでも、小学生っぽく振る舞わないとダメだからな〜面倒だけど
｢逃げる……とは？｣
普通の小学生なら疑問に思うことを質問した
｢貴方は初めてらしいので分からないのでしょうが…ここは普通の本丸とはとても違います
きっと、何かの間違いなのでしょうね……でなければ貴方のような幼い子がこんなところに送られてくるはずがない……｣
早く、早くしなければ……！と焦ったような口調で考える一期
早くしないと、あいつに操られて
そんな場面は何回もあったし、何回も乗り越えてきてるから分かってるんだけどさっ
あたしは分かってるけど見習いとしては何も分かってないからな〜……
あいつもまだ審神者部屋に入っていないみたいだし
それどころか、前振りがまだこの大広間から出てないから不審に思ってるのかも
とっくに部屋についてもいい頃なのに、まだ着いてないからあたしが何かした時に直ぐに駆けつけるためにゆっくり歩いてるのかもね〜
｢あの、わたし頑張ります！初めてだし緊張しちゃって……心配、してくれたんですよね？
ありがとうございます、でも大丈夫です｣
小学四年生っぽく、言ってる意味を違う方向で受け取りここから離れることにしよう
そして、部屋から出ようとすると一期に腕を掴まれた
｢そ、そう意味ではなく…っ｣
｢__何をしているの？｣
あたし以外の人が息を飲んだ
｢りむちゃん、まだ離れに行ってなかったの？｣
目元に影が落ち、笑顔だが目が笑っていなく、声質もさっきとは違う
”私の物”に何をしているの？と疑っているような感じ
｢あっ、その……離れがどこにあるのか分からなくて｣
｢あぁ、そのお兄さんとは私とお話があるの
そうねえ……長谷部、案内しなさい｣
主命とあらば、と立ち上がった長谷部の声は死んでいた
あぁ……こりゃ酷い
見事に堕ちてんな〜
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作者名：かや | 作成日時：2019年5月9日 0時
