悪い子3人目 ページ5
｢申し訳ないけど、りむちゃんは離れでいいかしら？
生憎空き部屋が無くて……｣
その声であたしを呼ばないでくれないかな〜とか思いながら冷静さを保つ
｢は、はい、大丈夫です…ありがとうございます｣
普通は審神者部屋で一緒に住むけどね
んま、それだと夜伽出来ないからね
｢それと、見習いには見習いのお仕事があるのよ
子供だからって容赦はしないわ｣
と、1枚の紙切れを渡してくる
ありゃま〜さっきの優しそうな雰囲気はどこへ？
変わりすぎてニヤケてきちゃう
｢はい、頑張ります…｣
受け取ると、とっくに見飽きたことがそこには書いてあった
｢はい、解散！もう部屋に戻ってもいいわよ
……あ、一期は私の部屋に来てね｣
と、頬を赤くして部屋を出ていく
はいはい、小学生に説明もなしに仕事を押し付けていくスタイルも飽きてきたよ
どさくさに紛れて審神者がやる仕事も見習いの仕事として紙に書いてあるし
そしてあなたは一期とズッコンバッコンと
働け〜ちゃんと
それじゃ見習いの意味なくなっちゃうじゃんね？
見て習うから見習いなのにね？？
とりあえず、ここにいても何もなんないから
さっさと離れに行くか〜、とお辞儀して部屋を出るが……
｢お待ちください！｣
部屋を出ようとする歩みは、1人の声により止められた
水色の髪を揺らし、黄色のやさしい目をした
まさにロイヤル王子……というのが普段の一期一振だが
今この姿では、とても王子とは思えな……いや、見えるな、少し見えるな
まぁとにかく、今の姿は傷だらけで見てるだけで痛々しい
一期一振は立ち上がり、あたしの元へとやってくる
そして腰を下ろし、あたしと同じ目線を合わせた
｢悪いことはいいません、今すぐお逃げください｣
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作者名：かや | 作成日時：2019年5月9日 0時
