46. 12時 ページ1
「A、そろそろ行こっか?」
「えっ?? ああ、ごめんごめん、時間過ぎてたね」
好きなミステリー作家さんの本が並んでいたからつい夢中になって時間を忘れていた。
「漫画買ったの?」
「そう!これ、わt………
部活の先輩に勧めてもらって!!!」
「何か見たことある気がする…
わたにぃが持ってたかもしれない!」
「そ、そうか…ふーーん。」
「それで、次は?何を買うの?」
「うーん…先に何か食べよ?
俺めっちゃお腹空いた」
まあ…そうよね…12時前だもん。
私は朝遅めの朝食を取ったからまだ大丈夫だけど。
「じゃあとりあえず昼食とる?」
書店を出て私たちが向かったのはフードコート。
「うわぁ…人多い…」
休日となれば、やっぱり混雑するものなのか。
「ほんと…席空かないかな…」
「それともお店に入っちゃう?」
「でもお店はお店で並んでそう…」
実際お店の前で待機する用の椅子は埋まってるように見える。
「名前どれぐらい書かれてるか見てみる?」
だいたいのお店を回ったが、既に5、6組待ちがほとんどだった。
とあるパスタ店の入口に置いてある紙には…
「ね、見て。神様って…ほんとに神っていう苗字の人がいるの??」
「そんなわけないってw何これめっちゃ面白いんだけどwww」
ニカが爆笑してて楽しそう。千賀くんといるときみたい。
「3名でお待ちの……か、かみさま〜?」
店員のお姉さん…ちょっと恥ずかしそうに言ってる…
だよね…普通そうなるよ…
「やばい…笑い止まんない……」
「ちょっと、ニカ!」
ずっとキャッキャキャッキャ笑ってる。
「神様、いないのかな?」
「えー。どんなやつが書いたのか見てみたかったのに。」
「変な詮索しないの!早く食べるところ決めないと時間すぎちゃうよ!」
「えーーー。あ!!!ラーメン屋さんあるじゃん。
そろそろ空席出るだろうから、俺が席確保するわ。
その間にAは並んで注文してきて!」
「…分かったけど。味は?」
「醤油!!!!」
「了解!」
ラーメン屋さんの列に並んでいたら、前にいたおばあさんに声を掛けられた。
「あんた、今日はデートかい?いいね〜若い子たちは…」
「いいえ、私たちはそんなんじゃ…」
「さっきからあんたらをずっと見てたら、若い頃の自分を思い出すわ…」
本当に違うんだけど…
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作者名:Momoka | 作成日時:2021年8月22日 9時