44. かっこいいの違い ページ48
それからゆっくり歩いて、駅に到着して。
すぐに電車に乗ったが、もう時間は11時前だった。
「駅まで自転車で来ればよかったね?」
「でもそしたら帰りが面倒じゃん。荷物多いよ?」
「たくさん荷物持ったまま歩くの?絶対疲れるよ?」
「そうだね…帰りは迎えを頼むか、バスに乗るか…」
「バスだったら、酔い止め買わないといけない」
「あれ、常備してるんじゃなかったっけ?」
「いや、その…まさか遠出するとは思ってなくて…」
いつもとリュックが違うから入れ替えるの忘れたなんて言えない。
「そう。じゃあ後で買っとくか。」
休日とはいえ、電車の中はそんなに混んでいなかった。
すぐ目的の駅に到着し、隣接するショッピングモールへと向かった。
「お姉さんのリスト、何があるの?」
ニカのお姉さんは、私たちより5つ上で、今は大学生。
行事とかで会ったときはAちゃんAちゃんって仲良くしてくれて。
そんなお姉さんと私を見て、ニカに変な目付きで見られたこともあったっけ。
「えーっと…何…?木宮書店で雑誌…??
non-non-nonとen・enと…GuideTVと…いや何冊あるのよ…」
そっか。お姉さん、アイドル好きだもんな…
「それ、全部表紙になってるのが同じグループだった気がする。
私分かるから、早く行こ?」
「お、おう。詳しいんじゃん。
何、Aもアイドルとか好きなの?」
「いや〜お母さんがTVで良く見てるくらいかな〜
昔LIVEには連れて行ってもらった気がするー」
ちなみにその雑誌の何冊か、家にあるよ。
「へぇー。全然わかんないわ。」
大きく首を振るニカ。
「ニカもお姉さんも一緒に歌番組とか見ればいいじゃん。
意外とかっこいいよ?アイドル。
歌とかダンスとか。」
「ふーん。かっこいいんだね。」
それだけ言うと、ニカは1人でどんどん書店の方へ進んで行った。
アイドルのことかっこいいって言ったのがちょっと気に入らなかったのかな。
ニカも十分かっこいいんだけど。
ニカに対するかっこいいと、アイドルに対するかっこいいは全く違うのにな。
そんなことをストレートにニカに言えるはずもなく、
ニカに追いつくように駆け足で書店へ向かった。
目的の雑誌を購入して。
「せっかくだから本見ていく?」
「そうだな。俺もちょっと漫画気になる」
「わかった。20分ぐらいしたら入口に集合ね」
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作者名:Momoka | 作成日時:2021年6月2日 23時