39.覆す ページ42
ハンドボール投げの測定は2回行う。
どちらか良い方の記録が得点になる。
2巡目を待っている間、ずっと砂に絵を描いては消し描いては消しを繰り返した。
「そういえばさ〜結衣先輩、告ったんでしょ?二階堂くんに!!」
「まじ??ついに??で、どうだったの???」
「二階堂くんOKしたらしいよ!!!」
「うっそ!!!たしか幼馴染いたよね?
てっきりあの子とくっつくと思ってた!!」
「それ!!!でも先輩と付き合いだしたからその幼馴染とは何もないってことでしょ?」
「そうよね!幼馴染だからって2人で出かけてたらさ、先輩もいい気しないよね〜」
「ほんと!空気読めよ!って感じ!!」
今聞こえていたのは…
前に座っていた女バスの子達の会話。
そんなに噂になってるんだ…
その幼馴染はすぐ後ろにいるんだけど??
気づいてないでしょ。
せめて私のいないところで話してよ…
2巡目が回ってきた。
今回は神がかった風が吹いてくることもなく、
13メートル手前の12メートルで終わった。
「すごいじゃん!昨年と比べたら伸びたよ!!!成長成長!!!!」
そういうひかは軽く15メートルは超える。
体育の時間が終わるまで…木陰に座って涼んでいた。
.
どうしようか…このまま和菓子屋行っていいのだろうか…
頭の中で何度も繰り返される女バスメンバーたちの話。
もともとニカは私が6点取るとは思ってないだろうし。
和菓子屋に行くことはないだろうって安心してただろうし。
そこで私が6点取っちゃって。
しかもニカに彼女ができたタイミングで。
もし一緒に出かけてるところをその先輩に見られてたら…
うん、やっぱりやめよう。
大人しく購買部にダッシュで並んでパン買う。
そっちの方が絶対良い。
クラスも同じだから
昼食前にパンをささっと渡して
ひか達のところに戻って弁当食べる。
うん、イメージができる。
記録つける人は14メートルって付けちゃっただろうけど。
わざわざ私の記録なんか確認しないでしょ笑
自分で言っちゃえばわかんない。バレない。
よって私はニカと一緒に和菓子屋に行く権利を自分から手離すことにした。
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作者名:Momoka | 作成日時:2021年6月2日 23時