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出来上がった新曲のMVを確認しに行くと、先輩も来ていた。
「やぁやぁ、明..「メアリー、おいでっ！」」
尻尾をフリフリして小走りに寄ってくる、いい子だけど、ここまで懐いてくれるまでに時間がかかった。
メアリーは先輩の言う事はちゃんと聞くけど、聞きすぎだと思う。
「あ！こら邪魔するなんて悪い子っ！」
「いい子じゃん！メアリーに謝ってくださいよ〜、やっと面倒見てくれるあたしを認識したんですから」
大人しく抱っこされているのをいい事にもふもふする。
「どうでした？MV？茨さんと漣さんに勝てそうです？」
「僕っていうジャンルを彼等と同じにしないでほしいねっ！もう！メアリー抱いたままでいいから、自分で見てみたらいいと思うけどね」
通して見て、いつも通りによく出来てるな〜と感心する。
「編集、本当お世話になりました！いつもながらお見事ですね！...焼いてもらってもいいですか？すみません」
「Aちゃん！ちゃんと見たの？ダメだね！もう1回見ようね？」
「...で？なんです？どこをよく見たらいいんです？」
「僕だねっ！」
「うざ〜っ...あの日の先輩の方が全然素敵だったのに」
「あれは役の僕でしょ？ほら、Aちゃんの良さを僕が引き出してると思わないのかな〜？」
「あぁ。そうかもですね。今度EdenかEveで必要になったら出ますよ？」
「ダメだねっ！そんなの凪砂くんに取られちゃうじゃない？全然ダメだねっ！」
不機嫌なままメアリーを取り上げた所でマネージャーに次の仕事があると、強制退去された可哀想な先輩。
焼いてもらいあたしも直帰する。
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ご飯の支度をする零くんに渡すと、これやっといてと見に行ってしまった...
野菜がカットしてあるだけで、全く何を作ろうとしてたのか分からない。
戻ってきた零くんは、あたしの頬をそっと包んだ。
「...何？これ何作ろうとしてたか分かんないんだもん」
じっと見つめて、距離を詰めてくる。
「演技して？」
「え？何の？」
「恋人」
「零くんがリードしてね？」
何を作るか教えてくれて、何となく手を動かすと...零くんは背後からくっ付き甘えてきた。
後ろを向いて作りづらいよと笑うと、顔が近づいてくる。
嫉妬すると男性はこうなるんだろうな、と思い安心させるためにふっと笑って、お腹に絡まる腕に手を重ねて目を閉じる。
鼻が触れた時に...唇が頬に当たるようにずらす。
「満足？」
「お前、演技やってみろよ」
「セリフ付きなんて嫌」
「てか、なんで避けんだよ？」
「させねーし！」
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作者名：馨 | 作成日時：2020年8月26日 4時
