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そんな時に親から話があるから家に3人で来いと言われた。
着くなり正座をさせられて...変な汗が止まらなかった。
あたしがあんな雑誌出ちゃったから、親族の間で問題になったのか。
それとも面倒を見てる零くんが、問題視されてしまったのか。

お母さんがお茶を運んできて、座るとお父さんは話し始めた。
「こんなタイミングで話すつもりはなかったんだ...けどな、テレビや雑誌でAを見かけた遠縁の親戚から連絡が来たんだ、Aに会わせてほしいと。お父さんもお母さんも、考えたんだ。その人から聞かされるなら...きちんと話さないといけないって」
零くんもりっちゃんも黙って聞いているのに...あたしだけは悲しくて嫌な予感がした。

あたしは、血が繋がっていなかった。
あたしの実の母は朔間家の遠縁もいいところ、家系図的にも外れの方に書かれるほど、遠いそうだ。
だから、親族の集まりにも呼ばれない。
けれどシングルマザーで産んだ母は産後鬱で、自ら命を絶ったらしい。
施設に預けるのも可哀想だという事で、子供をきちんと育てられる方にと、朔間家に連絡が回ってきたらしい。

「零も凛月も歳が近かったのもあるし生後8ヶ月っていう、うちの子としてもぴったりだと思ってね。お父さんもお母さんも女の子も育てたいねって話し合って、うちの子として養子に迎えたんだよ。Aって名前はうちで新しく付けたんだ、新しい門出だからね。Aを蔑視した事もないし、今でも3番目の子供として大切に思ってるよ。けどね、その親族の方が...なくなった母親に瓜二つのAに会いたいって...なくなった娘さんを思い出したんだろうね。Aはどうしたい?お前の気持ちを優先させるから。断ってもいいんだよ」

あたしは暫く言葉が出なかった...喉で閊えて息も苦しい。
零くんが異変に気付いて横にさせた。

「体が弱いのは何でなの...」
「そこはうちの家系だからね、血が薄かろうが体は病弱なんだろうね。すぐに決めなくていいから...親族とはいえ、赤の他人からこんな話をされたくなかったんだよ、お父さんもお母さんも」

急にその人達があたしに会いに来ないように、零くんは絶対に目を離さないようにと言われていた。

具合が良くなり、帰る時にお父さんとお母さんはあたしを抱きしめた。
「何かあったらすぐに連絡しなさい」

この人達の匂いは間違いなく昔から知ってる安心する匂いなのに。
何の冗談なんだろう、全く実感が湧かなかった。

零くんもりっちゃんも無言だった。

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設定タグ:あんスタ , 朔間零 , 朔間凛月   
作品ジャンル:アニメ
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作者名: | 作成日時:2020年8月26日 4時

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