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Aはあんなに頑張って体当たりで撮影したのに、学園側から親と事務所の人達が呼び出されるという事態になった。
まだまだ子供の17歳があんな撮影をしたんだからしょーがないっちゃしょーがないのかもしれない。
発売されてから売れ行きは知らないが、業界人の主にプロデューサーやディレクター、編集者から注目されている。
俺の仕事でも、何故だかAの話をされたりもする。
俺は困ってはいないが、凛月は撮影相手が自分じゃないだけに気に入らないらしい。
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Aはゲッソリした顔で帰ってきた。
「どうなったんだ?」
「お父さんもお母さんも事務所も猛反対でさ...仕事として求められた成果を出してるし、親としても仕事をさせている以上恥ずかしい事はないって。でも、学園では内容が17歳にそぐわないし他の生徒達を刺激しないために、体裁として2週間の停学処分て事にしたいって。もちろん仕事ちゃんとしてた訳だから、成績にも響かない、名目上って事で学園も親もサインしてたけど...なんか無駄に呼び出された親が可哀想だよ〜」
制服を着替えてる間に何が食べたいか聞くと、疲れてるのか、いろいろ?という返答...
「アイスなら全部揃ってるし、ココナッツミルクも買っといたぞ?それより飯にするか?」
食べるのも面倒くさいのか、ココナッツミルクを選んだ。
「零くんはお母さん達から何も言われてないの?」
「...一応、今年成人だからな」
「ふーん。そうだっ!お父さんがキレたの初めて見たよ!学園側が兄妹でって話をした時に、あんなのを他のモデルで撮られる方が親としては心配なんだってさ。兄として妹を守るのも長男の仕事だ!って...なんか零くんと似てるよね?」
「お前、一言余計なんだよっ」
「そ?まぁ〜とりあえず仕事とゲームし放題の2週間だね!」
「成績に問題ないなら、いーんじゃねーのか。好きに過ごせよ。それがご褒美なんだろ」
その日の夜、珍しく母親からラインが来た。
どんな仕事でもAの相手は兄弟どちらかにするように、とお願いされた。
あの怒り方からして、次は凛月も譲らないだろうけど。
発売された雑誌をうちに持ってきて、これなんなの?と突き付けられた。
可哀想なAは、水着を持ってきた凛月と水着で風呂に入るっていう、罰ゲームをさせられた。
何かされないか心配だったが、頭を洗わせられただけらしい。
母さんに凛月にも同じ文章を送っておいて欲しい、と頼んだ。
俺からよりも、母親の方が凛月を刺激しないだろうし。
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作者名:馨 | 作成日時:2020年8月26日 4時