あんスタ～大好きな兄弟～【朔間零・凛月】 (ページ6)

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面白さから、やってみたけど...

選曲が悪過ぎた.....

Silent Oathの歌詞が辛すぎて半泣きになりながら踊って、誤魔化すために必死になった。
「お兄ちゃん！踊ったよ！怒らないでね～！おやすみなさ～い！」

零くんからは電話が来た。
「A、面白すぎんだろっ！！半泣きになりながらってどんだけ凛月怖いんだよ～」
「だって取り直して編集してって面倒なんだよ？」
「編集って歌詞テロップで出すだけだろ？」
「...面倒なんだもん。それにりっちゃんは見てないから大丈夫だよ」
「なんか言われたら俺のせいにしとけよ？」
「分かったよ、ありがとねお兄ちゃん」

大丈夫な訳ない、メールをよこさないのが一番怖いのに。

その年の年末家に帰るとあたしの鞄とコートを持ってきて、玄関の外へ出された。
「ここは俺の自宅だからさ～しかも年末年始に他人が押し掛けてくるとか迷惑なんだけど？」
と、締め出された。
両親は...唖然と見ているだけで、冗談なのかと誰も何も言わなかった。
見ていなくても不在の理由は何も聞かないだろう。

寮に戻るしかなかった。
助かる事に年末のEdenのライブを寮の食堂で見れた。
食い入る様に見てたからか、コールが鳴ってびっくりした。
「A、どこいんだよ？」
「寮だよ。お母さん達から聞いてないの？」
「なんだよそれ...」
「知らない、聞いてみればいいじゃん」
そのまま電話を電源ごと切った。

有難い事に三ヶ日はおろか冬休みは何の予定も全くなかった、売れていない事に感謝するべきだ。
あたしもあの朔間家の人間だ。
寝てろと言われれば、いつまでも眠れる。
凛月兄ほどではないけど、零くんよりは体は弱い。
日頃の疲れで寝て過ごした。
何度か来客だと起こされたが、女子寮は男子禁制だから零くんだろう。
そのまま追い返してもらった。

うちは、兄二人がアイドルをしている事を親がなんとか庇っている。
家を継げる男だけが可愛がられる。
もう高校生なんだし、それくらい理解はしている。
これ以上零くんだけが面倒を見るなんて大変だろう。

メールだけしておいた。
「休みなんだし、寝れる時に寝かして？具合悪いわけじゃないから大丈夫だよ」

確かに具合は悪くない。
悪いのは、胸糞だけだ...

新学期から、また気が重くなるユニットの活動が始まるし寝ていたい。
できたら、ずっとずっと寝ていたい。
「風邪ひくなよ」
「挨拶回り無理しないでね」

休み明けのユニットのトーク収録でずっと寝てました、にみんなやけに笑っていた。