あんスタ～大好きな兄弟～【朔間零・凛月】 (ページ50)

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マイペースに寝る訳でもなくゴロゴロしているりっちゃんの髪に触れて頭を撫でた時に、自然と涙が出てきた。
仕事と勉強を熟しながら、こんな重圧に1人で堪えられない。
りっちゃんは驚いたけど、すぐに涙を拭ってくれる。
「何でも聞いてあげるって。お兄ちゃんなんだから」
「言った方が楽になんじゃねーのか？」

言ってどうにかなるとも思えないけど...本当に兄達と
結婚出来るなら、誰かを選ぶ事なんて面倒な事しなくていいのに。
1番あたしを理解してくれているのは他でもない、血の繋がった兄弟なんだから。

「りっちゃんは嫌がるでしょ？前も嫌だって言ってたし...」
「それはそうでしょ。本音は？大事な妹に彼氏なんて嫌だもん。でも、Aが選ぶ人なら応援してあげなくもないよ」
「で？彼氏じゃないんだろ。お前も悪い女だな～」
その言葉に泣き出すと、りっちゃんは零くんを責める。
「何て言われたの？迷うくらいなんだから、どーせ何か言われたんでしょ？」
「...先輩は待ってるって。別れるまで」

あたしは2人に全部話した、2人がいる時じゃないと意味がない。

「りっちゃんは嫌？」
「だから～どっちも嫌だけど？でもAはどっちを選んでもいいんだよ。だって、血の繋がりがある分いつまでも妹は俺達の物だしね～」
そう言って頭を撫でてくれる。
「迷ってんなら、どれだけ待てるか待たせりゃいいじゃねーか。どこまででも待てたら巴の根性も認めてやらなくもねーな？...前にも言ったろ。桜河の家に嫁ぐのは簡単じゃねーって。でも、あいつはお前を傷つけるヤツじゃないだろうし。待つってんなら、待たせておけ」
「それ、最低な女じゃん...」
「最低でもいーの。大事な妹の彼氏決めるんでしょ？お兄ちゃん達を安心させたいなら、最低になっても安心させる事が優先～それはAの義務なんじゃない？」
「最低な女になっても、誰よりも幸せになれって事だな。自然と決められるって。そのうち何とかなるだろ」
「...じゃあそうする。でもお兄ちゃん達が仲良く出来る人がいいな」

最後の一言で2人は一瞬黙って、賑やかになった。
そんなの無理だとか、好きになれないとかなんとか...

「そっか！あたしも2人の彼女の時、文句言っていいんだね！」
元気が出たあたしと逆に、兄達は気まずそうな顔になった。
「永遠に2人はあたしの物って事でしょ？言ったよね？」
「本当、欲張りだなお前...」

あたし朔間Aは、大好きな2人の兄達のためにどこまでも欲張っていこうと決めた。