あんスタ～大好きな兄弟～【朔間零・凛月】 (ページ41)

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４１　＋α ページ41

Aは今が旬な若手俳優が出てたりする、漫画実写化な恋愛映画が嫌いだ。
今日は俺は敢えてそれを見せていた。
スマホを弄ったりしながら、時折舌打ちをするA。
「つまんないからって舌打ちの癖は直さねーのか？女の子だろ、お前だって」
「舌打ちする妹なんて、零くんも嫌いって事？」
「俺は別に気にしねーけど...」
「何その間は」
完全に失敗だった。

他人から知らされるより早く本人の口から報告して欲しかっただけだ。
言わないにしてもきっと恥ずかしさから、タイミングを自分でも考えているのかもしれない。

「Aもドラマのオファー来たらどーすんだよ」
「断る！当たり前だよ！多少演技が必要でもMVだけでいい！朔間家はドラマとか出なくていいじゃん！...りっちゃんはどうか知らないけどさ...別に恋愛モノなら洋画でいいじゃん？なんか漫画実写化ってさ、不自然なんだよ。大体さ～実は血が繋がってませんでした！お兄ちゃん大好き！みたいな話ないでしょ...あたしその立場だったら恋する前に、泣き崩れるし！」

口喧嘩では妹には勝てそうもない。
確かにこれだけ可愛い妹が、いざ血が繋がってないと知らされたら...
「...悪い。俺イケるかもしんねーわ」
「っは！？ちょっと！気持ち悪いんだけど。りっちゃんに電話するわ...」
「悪いって。凛月には電話すんなよ...お前も実家戻されるぞ？」
「百歩譲ってもさ。こんな漫画みたいな事で恋人になったらね。映画は幸せに終わってるけど？いざ結婚てなったら、親戚にはどんな説明をするんだって話だよ。はいそうですか、で済まないんだよっ！」
「だとしても、お前さ、桜河の家もはいそうですか、で婿には出さねぇかもしんねーぞ？」
「なら、別れるしかないね」

さらっと話しAはまたゲームを始めた。

夜、枕を抱えてやって来た。
「零くん知ってたの？」
「楽屋まで心配そうな顔で付いてきたらな？」
「零くんに似てるし、記事にされそうになったら...あいつあたしのためとか言って別れるタイプじゃん」
「そんな奴でいいのかよ？」
「しょーがないよ...もしもの時はさ？零くん泣いてるあたしを慰めて～？でも...零くん彼女作らないで？嫌だよ...」
頭を撫でてやるとAは安心して眠った。

汚れ仕事もする奴か、似てるのかもな...
父親でも凛月でもなく、俺に似たような男を選んだ事が少なからず嬉しかった。

大人というか冷めた考え方をする17歳だ。
別れを想定して付き合うなんて、Aも十分俺に似てるけどな。