あんスタ～大好きな兄弟～【朔間零・凛月】 (ページ39)

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３９　＋α ページ39

今日はMVの撮影。

大好きな彼と、好みの部屋を選んで借りる。
一緒に幸せな時間を過ごす。
部屋で料理を作り、映画を見て寄り添って過ごす。
...ふと、彼のスマホが鳴るけど、彼はチラッと見るだけで、あたしを優先してくれる。
頭を撫で、肩を抱き寄せると、また映画を観始める。
そして夜は一緒に眠り、眠るまで髪を撫で話してくれる。
そんな生活に慣れてきた頃、朝一緒に起きていつも通りに二人で家を出たのに...
その日の夕方、彼はあたし以外の女性の肩を抱き歩いていた。
気づかないフリをして、彼が目を離した隙にスマホが鳴る。
目に入ったロック画面の通知...
ダメなのに開いてしまう。
知らない親しそうな文面の女の子は...あたしも好きだよ、と。
戻ってきた彼に詰め寄る。
浮気よりも、スマホを見た事を咎められ、彼が手に持つお揃いのカップをシンクに投げる。
割れるガラスが...スローモーションに見える。
その時間は思っていたよりも、長い。
1人になりたくて家を出る。
追いかけて来た彼は、浮気していた癖にしつこい。
歩きながら喧嘩をする。
他人を気にかけない、すれ違う人々。
しつこい彼から逃げる様に喧嘩しながら歩き続ける。
ついに近くの海まで来てしまった、もう道は海の中しかない。
彼を引っ叩くと、力いっぱいに腕を引かれ抱きしめられる。
気持ちの行き場がない。
許せないのに、好きだから許すしかないのか...すると、ごめんもうしないと彼は謝りキスをする...
あたしは彼を引き剥がし、もう一度引っ叩く。

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「ちょっ！何してくれてんのっそんなアドリブ要らないし！今本当にしたよね？零くん最低！」
「こーいうのはちゃんと演技したに越した事ないだろ。お前こそ、さっき引っ叩いたの設定にねーぞ？」
「うざっ！何のために零くんにこの仕事頼んだと思ってんの！それさせないためでしょ？MVだしここまで使わないからっ！」
マネにいい所でカットしてと頼んでおいた。

出来上がった映像は、いろいろ撮ったのに...別の所を端折って、ばっちりラストは使われた。
他人から見たら見えない角度だから、りっちゃんも気づかなかった。

「お前のマネ、本当ヤバイな？...でも3歳の時の可愛かった頃のA思い出すな～大人になったな？お前」
あたしはずっと口を効いてない。
事務所からは演技、やってみる？と意外な反応をされたけど断った。
「これ..「自腹で買ってね」...おう」

怒るあたしが面白いのか、唇をなぞりご馳走さんと更に煽る零くん。
確信犯だ！