東京喰種で！短編集！２ (ページ13)

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鈴屋什造ー綿飴ー１ページ13

ある日局で迷子になっていた時、前をよく見ていなかったため何かを踏んだみたいで、男の子が倒れてしまった。

「ごめんね大丈夫？痛くなかった？あたし前見てなくて」
「こちらこそ～迷子になってまして～すみませんです」

白いふわふわの髪の毛に真っ赤な瞳が綺麗だった。
「ふわふわの髪とピンが可愛いね？」
手を伸ばして彼の手を引き起こしてあげる。
「痛くない？」
「全然大丈夫です～」
「誰探してるの？」
「篠原さんです～」
「もうロビーに篠原さん呼んじゃおうか？...ねぇ、それ戦うときもスリッパなの？脱げない？」
「脱げたら拾います！えっへん！」
「駆逐してから拾ってね」
「お姉さん甘い匂いがします」

髪や服を嗅がれて...擽ったい。
すると篠原さんが小走りにやってきた。

「篠原特等、AA二等捜査官です。什造くんもあたしも迷子だったので、呼んじゃいました」
「Aは何処にいます？」
「平子班に所属なんだけど、迷子なんです」
篠原さんは丁寧に連れてってくれて、平子班長に冷たく怒られた。

疲れたな～、外に出ると什造くんがいた。
「Aは弱そうだから送ってあげますよ～僕が守ります」
「お礼にこれあげる、差し入れのクッキー食べてる暇なかったから」
「今食べても？」
「いいよ！お給料入ったら夕飯食べに行こうね」

什造くんは子供の様に手を繋いでくる。
家の前に着くと手をぶんぶん振って帰りたくないと駄々を捏ねる。

あたしは篠原さんから什造の全てを聞かされた。
彼の心は少年のままだ。
「上がるってく？」
「泊まるですっ！夜も変な奴から守りますよ！」

冷蔵庫を開けると焼きそばなら作れそうだった。
「什造くん、焼きそば好き？」
「好きですよ」
「じゃあ作るから、お風呂先どうぞ？」

一緒にご飯を食べる。
あたしがお風呂から出るともうソファーで寝ていた。

「ほら、ベッドで寝ないと風邪ひいちゃうよ？」
よたよたと歩きベッドで眠る。

実家にいる下の弟を思い出した。

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それ以来1年、何でだか彼と一緒に住んでいる。
すぐにあたしと同じ二等捜査官になった。

凄まじい身体能力で、あたしは毎日守られて安心しきっていた。

平子さんに怒られてる姿を、たまたま什造くんが見かけた。
完全に怒ってしまい手が付けられない状態になった。
篠原さんを呼んできてもらい、平子さんと長い事話していた。

「公私混同は絶対にするなよ」
「はい...」

その後大活躍の末出世をして、もう彼を咎める人は誰もいなくなった。