真選組の薬屋<銀魂>

・貴方side ページ18

さっき近藤さんの体を見たとき、妙に大きな虫刺されの痕があった
部屋に追加で蚊取り線香をおいておこうと思い、医務室に取りに行く

時々、銀さんたちの叫び声が聞こえたが、あの2人ならいいや

2つの部屋に蚊取り線香を置き、念のため虫除けの効果がある、柑橘系の果汁を布に湿らせ懐に仕舞った

一息ついたところで頭の中を整理する

…大きな虫刺され

…赤い着物の女

…1週間前…

ふと気がついた、被害に遭った隊員は1ヶ所にしか痕がなかった
そして私は付きっきりのためここを動いてなく、ある程度狙いやすいが何も起きてない。

疑問に思っていたことが解けてスッキリした
犯人は幽霊なんかじゃない

私は静かに障子を開け、外へ出た

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しばらくすると私の前にある人が現れ目があると逃げようとした

『逃げなくても平気ですよ、捕まえて殺そうなんて考えてませんから。
ただ…

私と答え合わせをしませんか？

犯人さん？』

？「犯人…？」

『はい、あなたは最近この真選組内で次々隊員が魘され寝込むという事件の犯人さんです。』

？「あの…どうしてそう思うんですか」

『隊員が魘され寝込みはじめたのは1週間前。
時間はどれも夕方から夜にかけて。
人数は違っても時間はほとんど変わりませんでしたね、知っていますか？
蚊って種類にもよるんですが、朝は活動しないんです。』

『襲われた隊員には皆虫に刺されたような痕が1ヶ所にのみありました。そして、私はあの部屋からほとんど動いていませんが、この通り襲われてはいません。』

？「どういうことでしょう」

『普通、狙うならじっとしている人が狙われやすいかと思い、動かずにいたのですが…どうやら入ってこれなかったようですね、"蚊取り線香"がなければ入ってこれましたか？
それとも…女の血では意味がない…とか？』

？「…」

『蚊はこの時期が産卵ですよね、あなたは元気な子を産むために"男"の血を集めていて偶然このむさ苦しい男ばかりいるところを見つけた。
どうです？必要分は取れましたか？』

？「…お陰さまで。結構前から気づいてたんですか」

『えぇ、蚊取り線香を入れてから妙に減りましたから。申し訳ないことをしましたね、蚊の天人さん』

？「いいえ、ここまで黙っていてくださり助かりました。」

『副長たちには私から伝えておきますので、バレないうちに』

「えぇ、失礼します」

その天人は一礼して月の光る空へ消えていった

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