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39 銀時と夜 ページ40

銀時side
あの話の後、俺は思うことがあり、中々寝つけなかった。
ーーーーとうに忘れていた、あの約束…。
ゆりが、死に際に言った、最後の言葉…。
「あなたの、せいじゃない…。そう言えることだけは…確かだ。だから、生き…てね…。
私の…分まで…そして…」
その言葉に、続きがあったことを思い出した。
「そして…色々…教えてね。そっちの世界で…あなたに何があったのか…。
どんなことでもいい。小さなことでも…大きなことでも…くだらないことでも…大事なことでも…。
どんなことでもいいから…一日に一回…夜眠る前に…私に教えてね…。
そしたら私も…必ず…夢の中で…教…える…。」
そう言って、彼女は、死んでいった。
そのことを、今更思い出した。
そして、何だか、無性にやりたくなって、俺は口を開いた。
「元気か…?俺も、元気だ。こっちの世界では、俺は新たに出会った奴らに、お前のことを話した…。アイツら、ちょっと驚いてたけどよ…。
そっちはどうだ…?ちゃんと、やってるか…?
そっちの、世界でも…。」
自分でも気づかないうちに、俺は涙を流していた。
それ以外、何も言葉が出なかった。


ーーーー気がつけば、朝になっていた。


俺は、ふっきれた。
ーーーどうやら、アイツのことを新八や神楽に話したからか、アイツに対して、向き合い方…というのか、が少し変わった気がする。
ーーー今までの俺は、後悔していたんだと思う。
俺がゆりのことを好きにならなければ、ゆりは生きていられたからだ。
ただ、今はそれは違うと思うようになっていた。
ゆりは、たった一時でも心を取り戻せたこと、そして、その心を取り戻し、自分が本当に一緒にいたいと思える人と一緒にいた。
例え、自分が死んでその人が悲しみに暮れたとしても、ゆりはその人と一緒に生きることを選んだのだろう…。

朝の晴れた空に向かって、俺は言った。
「ありがとな…。やっぱり、お前は俺に、大事なことを教えてくれるんだな…。」
そして、生前に言えなかったことを、言った。
ーーー愛してる、と…。

作者あとがき→←38 ー現在の時間軸に帰って来た!ー



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rizuyoi(プロフ) - なるほどね…。その意見、採用!www (2018年8月15日 18時) (レス) id: 3998a2c749 (このIDを非表示/違反報告)
aina♪(プロフ) - 読み終わったのだよ( ̄ー+ ̄)キラーンよかったー!(´;ω;`)ゆりに予知する能力あったんなら、もう少し早くそういう設定チラ見せしてた方がいい気がしたけど、多分こんなダサいセンスは私の独り言← (2018年8月15日 18時) (レス) id: 7f277c8298 (このIDを非表示/違反報告)
rizuyoi(プロフ) - やすは☆さん» やすは☆さんに言われたのか…。ありがとうございます!!私も銀さん推しだから、始めっから銀さんオチで書きました!やすは☆さんみたいなストーリー展開上手い方からそれを言われると、とても励みになります!ありがとうございます!!! (2018年8月7日 19時) (レス) id: 3998a2c749 (このIDを非表示/違反報告)
やすは☆(プロフ) - 完結おめでとうございます!いやもう本当に銀さん推しの私には堪らないストーリーでした!! (2018年8月7日 18時) (レス) id: 3d7bfb6146 (このIDを非表示/違反報告)
rizuyoi(プロフ) - 青ウサギさん» マジですか!?ありがとうございます!!嬉しい…。ケッコーキャラとか設定とか、話の運び方とか、上手い方はやっぱり上手いよ…。私なんて、まだまだや! (2018年8月7日 18時) (レス) id: 3998a2c749 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:rizuyoi | 作成日時:2018年7月19日 0時

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