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36 回想33 ー別れ篇10ー ページ37

銀時side
俺たちは、万事屋へ帰った。
ーさっきのあの一言を聞いた後からすれば、俺の気持ちは舞い上がっているはずだ。
しかし、あんなことをその前に聞かされたのであれば、そんな気持ちも吹き飛んでしまう…。
ーーー万事屋に帰ってくることが、こんなにも重く悲しいのは、初めてだった…。
そこで、ゆりが口を開いた。
「ゴメンな、銀時…。
ーーー変なことを、言ってしまって…。」
やはり、だった…。
俺の今一番思っていたことをダイレクトに聞いてきた…。
沈黙が生まれた…。
またしても、沈黙を破ったのは、ゆりだった。
「私も、知らなかったんじゃ!このことは…。
だから、別に、銀時に教えたくなくてとかそういうのは…」
「んで…なんで…なんで!」
柄にもなく、声をあげてしまった。
でも、もう止まらない…。
「俺、何かしたか?悪ぃこと、しかたよ…。
ゆりに…。
なんで、よりによって、俺なんだ…。
なんで、こんなことになって…。」
その時…
ゆりの顔が、すぐ近くにあった。
かと思ったら…
唇が、何かに触れた…。
急なことで、少し驚いてしまった…。
ーーーそして、しばらくして、俺の唇から何かは、離れた…。
「すまぬ…。銀時…。
私も、こんなこと…。
もっと、銀時とは一緒にいたい!!
銀時も、そうではないのか…?」
ゆりに言われて、俺は、初めて気づいた。
ーーーそうか…。
余命があとわずか、と分かっているなら、そのわずかの時間を、たっぷりゆりのために注いでやればいいんだ…。
それでいい…。
俺は、ゆりを抱きしめ、言った。
「お前はいつも、俺に、大事なことを教えてくれるな…。
ーーー昔も、今も…。」
「そうだったか…?
ー別にそんなことはないと思うが…。」
「いいや…。お前は自分で気づいていないだけで、いつも俺にたくさんのことを、教えてくれる。
ーーーありがとう…。」
「ぎ、銀時…。照れる…。」
「照れて上等。そっちの方が、かわいいさ。」
「だ、だから…。」
そうして、俺は抱きしめる手を緩め、ゆりの顔を見た。
ーーーゆりも、俺の顔を、見た。
そしてーーー
互いの唇を、合わせた。

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rizuyoi(プロフ) - なるほどね…。その意見、採用!www (2018年8月15日 18時) (レス) id: 3998a2c749 (このIDを非表示/違反報告)
aina♪(プロフ) - 読み終わったのだよ( ̄ー+ ̄)キラーンよかったー!(´;ω;`)ゆりに予知する能力あったんなら、もう少し早くそういう設定チラ見せしてた方がいい気がしたけど、多分こんなダサいセンスは私の独り言← (2018年8月15日 18時) (レス) id: 7f277c8298 (このIDを非表示/違反報告)
rizuyoi(プロフ) - やすは☆さん» やすは☆さんに言われたのか…。ありがとうございます!!私も銀さん推しだから、始めっから銀さんオチで書きました!やすは☆さんみたいなストーリー展開上手い方からそれを言われると、とても励みになります!ありがとうございます!!! (2018年8月7日 19時) (レス) id: 3998a2c749 (このIDを非表示/違反報告)
やすは☆(プロフ) - 完結おめでとうございます!いやもう本当に銀さん推しの私には堪らないストーリーでした!! (2018年8月7日 18時) (レス) id: 3d7bfb6146 (このIDを非表示/違反報告)
rizuyoi(プロフ) - 青ウサギさん» マジですか!?ありがとうございます!!嬉しい…。ケッコーキャラとか設定とか、話の運び方とか、上手い方はやっぱり上手いよ…。私なんて、まだまだや! (2018年8月7日 18時) (レス) id: 3998a2c749 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:rizuyoi | 作成日時:2018年7月19日 0時

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