【HQ】悪夢Memory【悪女主】

21 支え合うのが仲間だろ？ ページ22

黒尾 鉄朗side






「………。」


「黒尾、Aちゃんの容体は？」


「海…一命は取り留めたらしいが前回と違って今も意識不明の重体らしい。」


「前回って？」






俺達は夜久の妹、Aちゃんの事が気になって部活を終えてからも体育館に残った。

夜久自体も心配だったしな。




俺は海や芝山に武田先生から聞いたAちゃんの事故の件について話した。

夜久から聞いたら、事故ではなく事件らしい。







「黒尾…皆…。」


「夜久さん！だ、大丈夫ですか！？」






リエーフが顔を真っ青にしている夜久に近付く。

何だかんだ言ってあの2人は結構仲良い。

主将として俺も安心している。







が、今はそれどころじゃない。

夜久はリエーフにしがみつき、柄も無く泣き出す。

流石に直井コーチや猫又監督も心配している。




あの無気力の研磨ですら、少し驚いている。








「落ち着け夜久っ…Aちゃんの一命は取り留めたって連絡来たし、な？」


「でも、でも、俺は彼奴を守れなかった。
守るって約束したのに……クソォ！！」


「夜久さん……。」








直井コーチは夜久にハンカチを渡し、

俺達にもう遅いから帰れと言う。



帰れる訳ないだろ。

仲間がこんなにボロボロになって、

それにAちゃんだって俺達にとっては大切な仲間なんだ。






ほっとける訳ねぇ。

夜久もAちゃんも俺らが悩んでいる時にいつも一緒に背負いこんでくれる。


今度は俺らの番だ。






2人の事、幾らでも背負いこんでやる。

……支え合うのが仲間ってもんだろ？







____…

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