【HQ】悪夢Memory【悪女主】

15 逃げ場は何処にも。 ページ16

風町 Aside







やっぱり、傷付けていたのか。

仁花は私と居ると少し悲しそうに笑う。

何となく分かっていた筈なのに、




これ以上皆に嫌われて欲しくなくて、

見て見ぬ振りをしていた。








「Aちゃん、待って！」


「谷地さん…用なら私じゃなくて潔子に聞いた方が良いよ。」


「違います！私はAちゃんの事嫌なんて…。」







仁花の言葉から耳を塞ぎたくて、

私は無視をした。

最後まで聞いたら、また甘えてしまいそうで。




聞くのが怖くてたまらない。









「ごめ、んっ…！ごめんね、ひと、かっ…！」







誰もいない体育館裏で私は泣いた。

嫌な事があるとここで私は泣く。

あまり人も寄って来ないから、絶景の場所。




絶景…というより、悲しい場所。







「Aさーん♪」


「あ……空、野さん…。」


「あれあれー？どうして泣いてるんですかぁー？」








私に挑発する様に言う空野さん。

でも、悲しくて苛立つ事なんてなかった。

貴方の所為で、そんな事も思う暇なかった。





ただ、どうして？

それしか思えなかった。








「あ、そうそう！Aさんって孝支と付き合ってたんですよねー？」


「付き合ってた…じゃない。付き合ってるだよ。」







どうして、過去形みたいに言うの？

どうして、私の彼を呼び捨てで呼ぶの？






「え〜？まだ付き合ってると思ってるの〜？孝支は貴方に飽きて今はアタシと付き合ってるんだよ〜？知らなかったの？」


「……え？」








嘘、だよね？孝支___________。








____…

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