【HQ】悪夢Memory【悪女主】

13 自分が見ていた世界とは。 ページ14

谷地 仁花side






「待って下さい！菅原さん！」


「やっちゃん？どうかしたの？」






平然と笑う菅原さん。

何で、何で笑えるんですか。

何で、何であの人を裏切るんですか。








好きだったんじゃないんですか。

愛していたんじゃないんですか。



2人は私の憧れの恋人だったのに。







どうして、どうしてAちゃんにあんな酷い事、

『付き合った記憶がない』なんて！

何で、そんな事を…！









＊








Aちゃんが烏野に戻って4日。

私はもう部活中に笑う事が出来なかった。

目の前に広がる光景が私をそうさせた。







「柚子ー！」


「柚子さん！俺のスパイク見て貰えました？」


「柚子さん、今日も美しいっス！」


「柚子が入部してくれた本当に助かるわ。」









誰も、Aちゃんの名前を呼ばない。

この間までは口を開けはAちゃんばっかりだったのに。

今では空野さんばっかり。





空野さんはズルい。

部活の仕事なんてAちゃんの前では一切しないのに、私や清水さんにはしてる様に見せる。

Aちゃんの仕事を無理やり奪って。









「んんー！柚子特製ドリンクうめー！」


「ふふ、ありがとう。龍。」








違いますよ、田中さん。

それはAちゃんが作ったんです。

毎日毎日、皆の体調を考えて作っているAちゃんのドリンクなんです。




貴方達にとって、彼女はそれだけの存在だったの？








『使える道具』って。








____…

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