【HQ】悪夢Memory【悪女主】

01 確かにある。 ページ2

風町 Aside




私の幸せは確かにここにある。




「Aさーん！速攻の練習見て下さーい！」


「あ、俺もサーブの練習見てもらえませんか？」


「俺のローリングサンダーも見て下さぁぁい！」


「ノヤっさん抜け駆けズリィ！」






マネージャーとして頼ってくれる仲間。

信頼してくれる大切な仲間。

彼らは何があっても守り抜く。



それが、私の幸せ。

皆の笑顔があれば私は幸せだから。







「皆、落ち着いて！ちゃんと見てるから、ね？」


「アザーッス！」





ようやく解放された私。

しかし、そんな間もつかぬ間、

今度は後ろから抱きつかれ、大体誰か一発で分かってしまう。



私は彼の髪を撫で、振り返る。







「どうしたの？孝支。」


「相変わらず人気だなって思っただけ。」


「あれ？もしかして嫉妬〜？」


「…っ、そうだよ！悪いか⁉」







顔を真っ赤にして、私の額に自分の額を合わせてくる愛しい彼、菅原孝支。

孝支とはもう5年の付き合いだ。

中2の頃、孝支からの告白で交際が始まった。



……今でも、大切な彼氏。






「ううん、嬉しいの。好きだから…。」


「…あーも！何でそんな可愛い事言うかなぁ…。」


「ほらほら、イチャつくのもそのぐらいにしないね？」






孝支に抱き締められると落ち着く。

孝支のずっと聞いていても慣れない心臓の音。

私より大きな手。


私が最も落ち着く場所。






もっと、この腕に、この温もりの中で


彼と、皆と、





___________一緒に居たかった、なぁっ…！







____…

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