呪術専攻の公安刑事2 (ページ39)

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69話ページ39

一般人にとんでもねぇこと言ってしまったぁぁあ！
神無月A！アー！短気なの直そうと思ってたのに…。
『…聞かなかったことにして。』
「…逮捕されるぞ」
赤井さんが言う。
『人間じゃねーからセーフ…あ。』
やべえええ。
疲れてるのか…？
「…奴らが絡んでいるのか？」
『貴方は知ってる側だったんですね。』
「色々あってな。」
そしてたばこに火をつける赤井さん。
「…マティーニ、いや実が必死に探しても犯人が見つからないわけだ。」
呪霊は祓うと骨も残らない。
『大変だったんですからね。』
「A、過去に何があったというんだ？」
眉をひそめる赤井さん。
隣で降谷さんも潜めていた。
『屈辱的なことですよ、赤井さん』
あれは胸くそ悪かった出来事だ。
「降谷さん、召集がかかってます。」
「…わかった。A。」
『はい？』
「今日はちゃんと寝ろ。自己管理のできないやつを部下にした覚えはない。」
…急に何？
「その…無理はするな…」
『頭でもうちました？』
「うるさいぞ！少ししたら戻ってこい。始末書書いてもらうぞ。」
ひえぇ。
すると、ポンポンと頭を撫でられる。
嗚呼。
言えないな。
灰原先輩と同じような撫で方なんて。
『やめてください、はやくいってください！』
「押すなよっ！」
ドアの方に降谷さんをやる。
ちなみにジョディは上官に報告しにいっている。
赤井と二人きりだ。
「君はずいぶん降谷くんを好いているんだな。」
『ななななな何いってるの！？ばっかじゃないの！？』
「やはりあの時の電話の相手は君か。」
『？？とりあえずひっぱたいていいですか？』
「何かあったらここに連絡してこい。じゃあな。」
バタン
『なんなんだ、あの人…』

NOside
静かな廊下を抜け、建物から出た赤井の口角は上がっていた。自分のことをよくしてくれたマティーニの最愛の妹に会えたからだろう。
一本路地を挟んだバーに入る。
「ご注文はいつもので？」
マスターらしき人がそう言う。
常連なのだろう。
「いや。今日はマティーニの気分だ。」
「かしこまりました。」

ｺﾄﾝ

オリーブが入ったグラス。
澄んで落ち着いた色をしたマティーニを軽くあおる赤井。
なかなか絵になる。
マティーニを飲みながら赤井は思い出していた。
「(マティーニに会ったのもこんな時期だったな…)」
実と赤井は友人歴が長いわけではない。
１ヶ月ほどだった。
それだけ西条実には魅力があるのだろう。
「(初めて会った場所もバーだったな。)」
そっと目を閉じた赤井だった。