【双星の陰陽師】ま、まさか、俺…ヒロインになってるぅうう！？

さんじゅー ページ32

２年が経ち、俺は１６歳になった
今は清弦さんと一緒に修行中だ

『元柱固真 八偶八気 五陽五神 陽道二衝厳神 害気をゆずり払いし 四柱神を鎮護し 五神開衛 悪気を逐い 奇動霊光 四隅に衝徹し 元柱固真 安鎮せんことを 謹みて 五陽道霊神に…』

目の前にある壺が音を立てる

「…ダメだ。押さえ込みがあめぇ〜…戦闘態勢ぃ出てくんぞぉ〜」

ケガレが壺から飛び出す

『怨敵退散 喼急如律令！』

ケガレに俺が仕掛けた攻撃は通じず、俺は投げ飛ばされる

ケガレは俺に段々近づいてくる

あ、やばい…

ぎゅっと目を瞑り、武器を構える
が、いつまで経っても攻撃される様子はない

目を開けると、清弦さんがケガレを祓っていた

『…おとう、さん…』

「見ろ。とり憑いてたのが人間じゃなくて良かったなぁ〜」

清弦さんの視線の先には割れた壺があった

道場を出ていく清弦さんの後を急いで追いかける

『お、お父さんっ！』

清弦さんは足を止めた

『…俺ってやっぱり……陰陽師、目指すべきじゃなかったのかな…俺には才能…ないのかな…』

あの時、術を使えたのは…たまたまだったのかな…

「…ねぇな〜。確かにお前は物覚えがいい。霊符もくそ長ぇ呪文も経も教えりゃすぐに自分のものにできる。呪装の修得ペースも悪くはねぇ…だが、気が小さすぎる。霊を…ケガレを殺るって心構えがイラついてくるほどに足りねぇ。良いふうに言や優しいに入るんだろうが、そんなもんこの世界じゃ寿命を短くするだけだぁ。やってみてわかっただろ」

清弦さんの言葉は最もだった。
俺は、やっぱり……

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