僕等の英雄仮令録【HA*IF】 (ページ8)

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6話ページ8

「次はソフトボール投げだな。」
石黒が言った。
彼は測定機器を持ち、生徒から少し離れた所に立った。

ソフトボール投げで目立った記録を発揮させたのは、優日和。彼の個性は【風】小さなそよ風から、嵐まで起こすことが出来るのだが、まだコントロールが難しいらしく、腕にはめたリンクで調整しているらしい。風の力を最大限に活かした記録であった。

因みにその少し後に測った和歌苺は、何と校内に犬を連れてきている生徒だった。彼の個性は【アニマルセラピー】動物と意思疎通が出来る。どうやら、野良犬に懐かれてしまったらしい。石黒も苺が、非常に温厚篤実な事は知っていて大きな問題も起こしていないので多目に見ている。

「わッ！ダメッ！ダメだよッ！？！？」
苺がボールを投げた瞬間叫ぶ。
犬がそのボールを勢いよく空中でキャッチしてしまったのだ。犬は誇らしそうに胸を張りながら、苺の元へボールを持ってくる。
「記録、-3m。」
「そ、そんなぁ～…」
苺と犬はまだ意思疎通が完璧ではないらしい。石黒は、彼の個性も伸ばしてやらなくては。と彼について少しメモをした。

最終的にソフトボール投げを覇したのは、鷹城京架。個性は【三換】
そのうちの１つ【交換】を使い、空間の空気とボールを交換してみせた。元々彼女の視力が常人ではあり得ないほど、高かった為余裕の一位通過ではあった。

石黒は京架の名前の横にそっと丸を付けておいた。どうやら、身体能力の高い生徒の印らしい。他にも、イーサンや大狼にも付いている。

こうして、他の競技も無事といってはなんだが、測定は終了し石黒も含め、生徒たちは互いの個性を、把握し始めていた。