近寄るな。大嫌いなんだよ。 (ページ7)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:154,579 hit

7 ページ7

「人、多いな…」

「まぁ、食堂だからな」

人が多くて他の人と触れる事が多くなるから嫌だ。購買部でパンを買って食堂から出ていく。ジャックには申し訳ないけど食事時ぐらいは落ち着いて食べたい。人気の無い所の大きな木の枝に座って食べる。下を見ると不良生徒がいて煙草を吸い始める。このまま降りても面倒くさそうだなぁ。って思ってたら校舎側から身長のバカでかい2人組と眼鏡君が出てきた。暇潰しに見てみようと黙って見てた。

「お前ら契約期間過ぎてるけどぉ？」

「契約違反は宜しくないですよ」

「今、お支払い出来るのであれば許してあげますよ」

なんだあれ。ヤクザかなにかか？取り立てにしては随分と昼間っからやるんだな。嫌だと言って逃げた不良は2人組に殴られて吹っ飛んで行った。おー。と自然に感嘆の声が漏れる。距離も距離だしバレること無く不良が締め上げられてるのを黙々と見ていた。まぁ、あの人達もαだよな。俺には関係ないけど。転移魔法を使って校舎の中に入る。

「あ、どこいってたんだよ」

「ごめん。人混みあんま得意じゃなくて」

「そうだったのか。Aがいない時に友達できたぞ」

「へぇ、そうなんだ。良かったじゃん」

「それでさ、放課後に一緒に合わねぇ？」

「え、俺会ってないのにいいの？」

「あぁ。Aと仲良くなりたいんだって」

俺と仲良くなりたい、ねぇ。何が好きで俺に仲良くなりたいのかね。どうせ、αなんだろうな。放課後になってジャックに連れて行かれた所にジャックの言っていた子達がいた。

「お前がAか？」

「そうだけど…」

「ジャックから聞いたんだけどディアソムニアなんだよな？」

「うん」

「すげぇ！かっけぇ！」

ぎゃあぎゃあと俺の前で2人して言ってる。そんなに凄いものなのかは知らないけど。褒められると少し照れる。

「俺、エース・トラッポラ」

「デュース・スペードだ」

「A・グローナ。宜しく」

差し出された手には怖くて触れられない。適当に誤魔化して笑う。Ωとαが友達として成立するのだろうか。
俺の中のαは傲慢で。他の種を見下してる感じ。どの面に関してもαはどの種よりも優れている。それは絶対。だけど、Ωと知った時の。ヒートの匂いに駆られたあの目。なんとも言えない不快感と嫌悪感、恐怖が俺の体に広がっていって気持ち悪くなってくる。思い出しただけでも気分が悪い。