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「なぁ、今のってお前?」

「そんな訳ねぇだろ。俺は面倒事は嫌いなんだ」

「Aじゃなかったら誰がしたんだろうね」

本当は俺だけどわざわざ言う必要も無い。言ったところで多分騒ぎ立てる。目立つ事と面倒事は嫌いだから。そろそろ帰ろうかとなって各自で会計を済ませる。

「こちら、クーポンとなっております」

「あ…エース要る?」

「え、くれんの?」

「うん」

俺はもう自分からここには来ないから誘って来たエースに渡す。静かでいい所だったと思うけど喧嘩が起こるカフェには進んで行く気は起きない。

「またのご来店お待ちしております」

俺達の会計を担当してくれたのはさっきの人でなんとも言えない営業スマイルで俺達を見送ってくれる。なんか、あの人と関わっちゃいけない気がする。そう思いながら皆と歩いてるとエースにさっきのクーポンを返される。

「え、要らなかった?」

「いや、お前の名前書いてるから」

まさか。と思って裏を見れば綺麗な字でメッセージと俺の名前が書いてある。先程は助けて頂いてって。なんでバレてるんだろ。俺達の話聞いてて勘違いでもしてるのだろう。バレないようにしたし。

「俺もう行く気無いから使えるエースが使えよ」

「そう?じゃあ、遠慮無く〜!」

そのまま解散して自分の寮に帰る。寮は誰もいなくて静か。自分の部屋に戻って部屋着に着替える。俺の部屋はベランダが着いていて外が見える。ベランダに出るとリリア先輩が見えてリリア先輩も気付いたようで笑って俺に手を振る。俺も笑って手を振り返す。この前みたいにひきつってないかな。これでいいよな。
その時、机の上に置いていたスマホが震える。母さんからの着信。

「もしもし。どうしたの?母さん」

「あぁ、A?クロウリーから話は聞いてる」

「そっか。結構楽しくやってるよ」

「そう。無理はしないでいいのよ。Aは無理をしすぎる所があるんだから」

母さんには丸わかりのようで心情を見透かされてる。周りが殆どαでΩなんてエイナさんしかいない。そんな状況で右も左も分からないまま必死にしがみついてる。辛いけどそれは仕方なの無いこと。だって俺は社会的地位が1番低いんだから。

「大丈夫だって。辛くなったら帰る」

「Aの好きなご飯作って待ってるから」

「ありがとう。母さん」

まだ、帰る時じゃない。帰るには随分と早すぎるから。

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ピピ - やばいぐらい主人公が好みです! (2020年6月4日 16時) (レス) id: de2e77a72a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - おっふ(^^) (2020年6月3日 0時) (レス) id: 472a16cc4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:田中 | 作成日時:2020年5月30日 11時

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