近寄るな。大嫌いなんだよ。 (ページ11)

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「なぁ！この学園にカフェがあるらしいぜ！」

エースが言う。金持ち学校だしカフェの1つや2つあってもおかしくはないと思う。放課後行こうぜって俺の意見も聞かずに自分の教室にデュースと帰っていった。俺、行くなんって言ってねぇんだけど。エペルとジャックを見ると楽しみだなって。あぁ、強制だなこれ。

「A？行くよ」

「あ、うん」

ギリギリ逃げられるかと思ったけどエペルに呼び止められてエース達と合流する。鏡舎の中にある鏡の中に入る。ゴポゴポと水の中にいるみたいな音が聞こえる。海の中みたいなモチーフでオクタヴィネル寮の中に入る。綺麗な風景で本当に海の中にいるみたい。

「ここだ」

モストロ・ラウンジと書いてある。中は少し薄暗くてお洒落な感じ。大きな水槽があって空調は少し寒い。イメージは深海。みたいな感じでウエイトレスさんに言われた席に着く。
俺の隣にエースが座る。俺とエースの間に鞄を置いて距離をとる。何か言いたげな顔だったけど無視してメニュー表を渡す。メニューも海を連想させるようなもので写真映えしそうなものばかり。

「決めたか？」

「パフェと紅茶」

「え、」

「なに」

「いや、パフェとか食うんだなって思って」

「甘いの好きだからね」

エースが注文してくれて内装を見る。色んな生徒がいてかなり繁盛してる。バーみたいな所もあって凄いなって思って見てたら裏から昨日の2人組の片方が出てきた。ヤクザがウエイトレスやってる。中々に珍しい絵面を見れた。目で追いかけてるとこっちに近付いてくる。

「お待たせ致しました」

俺達が頼んだのを持ってきた。じっとみてたから変に思われてるかな。顔は動かさずに見上げると目が合った。オッドアイの鋭い瞳。にこやかに笑われたけど。なんとなく怖く感じた。

「早く食おうぜ！」

「あ、うん」

冷房ががんがん当たって温める為に頼んだ紅茶が温い。食べ終わって皆と喋ってると奥で怒鳴り声が聞こえる。なにかとその場にいた全員の視線が集まる。目が悪いのであんまりよく見えないけど生徒がさっきの人に突っかかってる？みたいで口論をしてる。

「黙ってろよ！！」

そう言って机の上にある水をかけようとして俺が止める。空中で分離した水が浮いてどちらも驚いた顔をする。水をコップに戻して机に置き直す。生徒は随分と驚いていたけど笑顔のさっきの人に連れて行かれた。やっぱり、ヤクザじゃん。こっわ。