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『もっかい聞きますけど、ほんとに来るんですね？』
「なんで着いてきて欲しくねぇの？」
ちょっとイラついた顔したフロイド先輩。美味しいご飯食べてる時に気を遣うのが面倒臭いから、なんて言いたいけど殺されそうだから男性が少ないからですとか意味の分かんない事言った。
「フロイド先輩。A、ラーメン食べる時構ってくれないですよ」
『おいまて』
「そーなの？小エビちゃん」
『はい。そうです』
この際先輩達が来なけりゃそれでいい。フロイド先輩と居るとほんとに調子が狂うから一緒に居たくない。あと、元彼に似てるから腹立つ。
「フロイド、また今度にしてみてはどうですか？」
「わかったぁ。じゃーね」
残念そうに手を振って人混みに消えて行く双子。なんで外食まで着いてくるんだよ。外食は気を遣わないでいい人と食べたい。侑李は良かったね、なんて笑う。ほんと可愛い。この笑顔に何回立ち直らされてきたか。
『もやし特盛で！』
「もやし好きだね相変わらず」
『低コスパであの美味さは罪深いよ』
漫画家として生計を立てる前は一日もやし生活とかしてた。店内見てると見覚えのある髪色あんの。青髪。しかも2つ。
『ねぇ』
「他人のフリしよ」
出されたラーメンを食べてすぐさま帰る。早く帰りたくて味なんて覚えてねぇし。金払った意味ねぇじゃん。わざわざ駅前まで出向いたのに意味無さすぎだろ。
「小エビちゃ〜ん！」
『うお！？』
昨日の事は無かったかのように接するから私も気にしないようにしてる。キス如きであわあわ言ってる年頃じゃねぇんだよ。ラーメン屋の事は白を切るようで知らない、の一点張り。
『まぁ、良いんですけど』
フロイド先輩が私と過ごしていく時間が長ければ長いほど元彼に似てくるのはなんなのか。思い出しただけでも殴りたくなる。漫画家として活動するお前を応援できないって言っておいて浮気してた。殺してやろうかと思ったわ。
「ねぇ小エビちゃん。次あっち行こ〜！」
この自由奔放な所、私の心の中に無理矢理入ってこようとする所とかほんとそっくり。私がびっくりするぐらい。
『分かりましたから引っ張んないでください』
どの道先輩達とはいつか別れるんだから下手に情なんて持ったら辛くなる。このヘラヘラした顔が昨日の冷たい顔になるって考えたらこの人も何かあるのかも。私の知ったこっちゃないけど。
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作者名：田中 | 作成日時：2020年5月24日 1時
